ゼロから始める! 山陰の中小企業のためのWebマーケティング基礎!その② 〜ネット広告を出稿する〜
前回の記事では、山陰の中小企業がWebマーケティングを始めるにあたって、まず考えておきたい基本的な考え方をご紹介しました。 Webマーケティングは、単にホームページを作ったり、SNSを更新したりすることではなく、見込み客との接点を作り、興味を持ってもらい、信頼を積み上げ、最終的にお問い合わせや購入につなげていく「仕組みづくり」です。
その中でも、比較的早い段階で成果を確認しやすい施策のひとつが「広告出稿」です。 もちろん広告を出せば必ず成果が出るわけではありませんが、目的やターゲットを整理したうえで運用すれば、山陰の中小企業にとっても有効なWeb施策になります。
今回は「ゼロから始める! 山陰の中小企業のためのWebマーケティング基礎!その②」として、ネット広告の種類、よく使われる指標、広告出稿の流れについて解説していきます。
1. 広がるネット広告
「広告」と聞くと、新聞・雑誌・ラジオ・テレビといった、いわゆる「マスメディア4大媒体」を最初に思い浮かべる方も多いと思います。 しかし現在は、これら4媒体の広告費の合計よりも、インターネット広告で使われる広告費の方が大きくなっています。
もちろん、マスメディア広告とネット広告では特徴が異なります。 そのため、本来はどちらが優れているかを単純に比べるのではなく、それぞれの特徴を理解したうえで、相互補完的に活用するのが望ましい広告戦略です。 とはいえ、テレビ全盛期だった一昔前のことを思うと、広告の世界が大きく変化していることは間違いありません。
こうした変化は時代の流れであり、「良い・悪い」「好き・嫌い」だけで判断できるものではありません。 私たちがビジネスを営む以上、こうした時代の流れと向き合い、自社に合った形で活用していく必要があります。
2. ネット広告の種類
ネット広告にはさまざまな種類があります。 まずは全体像をつかんでいただくために、代表的なものをざっくりと分類してみましょう。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- 動画広告
- SNS広告
- その他の広告
2-1. リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告とは、Google、Yahoo!、Microsoft Bingといった検索エンジンの検索結果に表示される広告のことです。 ユーザーが検索したキーワードに応じて広告が表示されます。
例えば当社のような業種であれば、「ホームページ制作」というキーワードで検索した人に対して、検索結果の中に広告を表示することができます。 その人がすでに興味を持って検索しているキーワードに連動して広告が表示されるため、後述するディスプレイ広告などに比べるとクリック率が高く、反応が得られやすい広告です。
2-2. ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、バナー画像などを使って、さまざまなWebサイト上に広告を表示する手法です。 サービスや商品を紹介するための画像広告を、ユーザーが閲覧しているサイトやアプリ上に表示します。
リスティング広告とは異なり、まだ具体的に検索していない人にも広告を見てもらえるため、認知度向上や潜在顧客の発掘を目的として使われることがあります。 地域、性別、年齢層、興味関心などでターゲットを絞ることもできますが、性質としてはやや「広く知ってもらう」ための広告に近いといえます。
2-3. 動画広告
動画広告とは、その名のとおり動画を使った広告です。 YouTubeやTikTokなどの媒体上で表示されるもののほか、一般のWebサイト上に動画形式で表示されるものもあります。
ディスプレイ広告に比べて情報量が多く、映像と音声を使った訴求ができるため、印象に残りやすいという特徴があります。 一方で、バナー広告などに比べると制作費が高くなる傾向があります。 地方の中小企業においては、まずリスティング広告やディスプレイ広告の反応を見てから、次の段階として動画広告を検討するケースが多いように思います。
2-4. SNS広告
SNS広告は、Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、LINEなどのSNSに出稿する広告です。 SNSごとに利用者の属性や使われ方が異なるため、自社の商品・サービスと相性の良い媒体を選ぶことが重要です。
例えば、Facebookは比較的詳細なプロフィール情報をもとにターゲティングしやすく、Instagramは写真や動画による視覚的な訴求に向いています。 Xは話題性や趣味嗜好との相性が重要になり、LINEは生活インフラに近い接点として使われることがあります。
ただし、媒体とターゲットが合っていないと、費用対効果は悪くなりがちです。 「流行っているから出す」のではなく、自社の商品・サービスを届けたい相手がどのSNSを使っているのかを考え、成果を見極めながら運用する必要があります。
2-5. その他の広告
ネット広告には、上記以外にもさまざまな手法があります。 ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
アフィリエイト広告
ブログやWebサイトなどで商品・サービスを紹介してもらい、その紹介から購入や申し込みなどの成果が発生した場合に、紹介者へ報酬を支払う広告手法です。
ジオマーケティング広告
スマートフォンの位置情報を利用して、特定の場所にいる人、または過去に特定の場所を訪れた人に広告を配信する手法です。 ただし、車での移動が中心となる地方都市では、商材や目的によって向き不向きがあります。
メールマガジン広告
配信数の多いメールマガジンに、自社の広告文を掲載してもらう広告手法です。 成果を出すためには、メールマガジンの読者層と広告内容が合っていることが重要です。
リターゲティング広告
過去に自社のホームページを訪れたことがあるユーザーに対して、再度広告を表示する手法です。 リスティング広告、ディスプレイ広告、動画広告、SNS広告など、さまざまな広告媒体で利用できます。
3. ネット広告で使う指標
次に、ネット広告を運用していくうえでよく使われる指標をご紹介します。 横文字が多く、最初はとっつきにくいかもしれませんが、慣れてしまえばそれほど難しいものではありません。
- CV(コンバージョン)
- 広告における「目標」のことです。 例えば広告の目的が「お問い合わせを増やす」ことであれば、CVは「お問い合わせフォームの送信完了」になります。 「販売」が目的であれば、「購入完了」や「購入完了画面の表示」がCVになります。
- CVR(コンバージョン率)
- 広告から流入したユーザーのうち、どのくらいの割合で目標を達成したかを示す数値です。 広告ごとにこの数値を確認することで、どの広告が効率よく成果につながっているのかを判断できます。
- IMP数(インプレッション数)
- 広告が表示された回数のことです。 広告がどのくらい人の目に触れているかを確認するための基本的な指標です。
- リーチ数
- 広告を見たユーザー数のことです。 1人のユーザーが同じ広告を2回見た場合、リーチ数は「1」、IMP数は「2」となります。
- CTR(クリック率)
- 広告の表示回数に対して、どのくらいクリックされたかを示す割合です。 クリック率が低い広告は、ユーザーの興味を十分に引けていない可能性があります。
- CPC(クリック単価)
- 広告1クリックあたりの単価です。 競合が多い場合や、広告の品質が低い場合には高くなる傾向があります。 クリック単価が高いほど、同じ予算で集められるアクセス数は少なくなります。
- CPA(顧客獲得単価)
- 1件のCVを獲得するためにかかった広告費です。 「広告費 ÷ CV数」で計算します。 広告ごとにCPAを確認することで、費用対効果の良い広告を判断できます。
- LTV(ライフタイムバリュー)
- 1人の顧客が、貴社と取引を始めてから関係が終わるまでの間にもたらす利益や売上のことです。 例えば、1回1万円のサービスを1人の顧客が5回利用する場合、客単価は1万円、LTVは5万円となります。 1回の購入単価だけで見ると広告費が割に合わないように見えても、LTVを考慮すると十分に利益が出る場合があります。
- 平均客単価
- 顧客1人あたりの平均売上です。 ネット広告に限らず、事業全体の採算を考えるうえで重要な数値です。
4. はじめて広告出稿するときの計算式
当社では、「これまでネット広告を出稿したことがない」という企業様からのご相談も多く承っています。 一度でもネット広告を出稿したことがある企業様であれば、過去の数値を参考にして戦略を立てることができます。 しかし、初めて広告を出す場合には、参考になる実績値がありません。
そのようなときは、次のような計算式に数字を当てはめて、ネット広告にどのくらい費用をかけられるのかを大まかに算出してみると良いでしょう。
リスティング広告の計算例
広告費 ÷ クリック単価 × CV率 × 平均客単価(またはLTV) = 広告によって獲得できる売上
この計算式を使うと、支払った広告費と、そこから得られる売上の関係をざっくり確認できます。 なお、CV率は実際の数値をもとに設定するのが理想ですが、初めて広告を出す場合には実績値がありません。 そのため、最初はやや低めのCV率で考えておくと安全です。
また、広告から流入したユーザーのCV率は、既存顧客や指名検索で訪れたユーザーよりも低くなることがあります。 「思ったより成果が出ない」という前提も少し織り込んだうえで、無理のない予算設計を行うことが大切です。
5. 広告出稿の流れ
広告の出稿では、前回の記事で説明したプランニングの考え方が重要になります。 プランニングで設定したペルソナやカスタマージャーニーマップが、どのような広告を展開するかを判断する重要な材料になるからです。
まずは、広告出稿の流れを大まかに整理してみましょう。
- プランニング
- マーケティングファネルを確認する
- ペルソナとカスタマージャーニーマップを確認する
- 広告の役割を明確にする
- 「いつ、だれに、なにを、どこで」届けるのかを整理する
- 広告媒体を選定する
- クリエイティブ
- キャッチコピーや広告文を作成する
- バナーデザインを行う
- LPを制作する
- 出稿設定
- 広告媒体に対して配信設定を行う
- ターゲット、予算、配信地域、キーワードなどを設定する
- 運用
- 数値を確認して仮説を立てる
- 改善のための施策と効果測定の方法を決める
- 広告設定やクリエイティブを見直す
- 改善と検証を繰り返す
以上が、大まかな広告出稿の手順です。 ここからは、特に重要な「プランニング」と「クリエイティブ」について見ていきましょう。
6. プランニング
6-1. マーケティングファネルとカスタマージャーニーマップの確認
広告出稿を考えるうえで、まず確認しておきたいのが、貴社全体のWebマーケティングにおけるマーケティングファネルとカスタマージャーニーマップです。 ネット広告は、あくまでも会社全体のWebマーケティングの中にある一つの施策に過ぎないためです。
もしマーケティングファネルやカスタマージャーニーマップが曖昧なまま広告を進めてしまうと、これから作ろうとしている広告が「どのタイミングで、どんな人に、何を目的として見せるものなのか」がはっきりしません。 つまり、広告の目的が曖昧になってしまいます。
目的が曖昧だと、当然ながら手段や手法にも混乱が生じます。 ゴールが曖昧なままでは、効果測定をしようとしても「何をもって効果とするのか」「どの数値を見れば良いのか」が分からなくなります。 その結果、改善行動を取りづらくなり、最終的に「ネット広告を出してみたけれど、あまり効果がなかった」という感想だけが残ってしまいます。
そうならないために、広告を出す前にマーケティングファネルとカスタマージャーニーマップを確認しておくことが必要です。
6-2. 広告の役割を考える
ネット広告は、多くの場合、新規顧客の開拓を目的として利用されます。 既存顧客へのアプローチであれば、顧客のメールアドレスや購入履歴などを持っていることが多く、メールマガジンやLINE配信など、広告とは別の手法で対応できることも多いためです。
そのような前提でマーケティングファネルを見たとき、ネット広告の対象となりやすいのは、「認知」「興味・関心」「信用・信頼・比較検討」「購入」の各ステージです。 自社の状況を踏まえながら、どのステージで広告を出すべきか、また予算配分をどうするかを考えていきましょう。
自社で広告を出すべきステージが確認できたら、いきなり無計画に広告を出すのではなく、それぞれの広告の役割を考えながら計画的に出稿することが必要です。
広告に計画性を持たせるためには、まず「その広告は何のためにあるのか」という目的を明確にする必要があります。 目的が異なれば、確認すべき数値や指標も変わってくるからです。
6-3. 「認知」ステージの広告
「認知」のステージでは、一般的に商品やサービスを知ってもらうことが目的になります。 まだ多くの人に知られていない商品や、新しいサービスを広めたい場合には、このステージでの広告が重要になります。
一方で、すでに多くの人が知っている商品や、市場が成熟していて目新しさの少ない商品であれば、「認知」ステージでの広告費を抑えることもあります。 この場合は、認知よりも比較検討や購入に近いステージへ予算を配分した方が良いこともあります。
「認知」ステージで広告を出す場合の目標数値は、広告の表示回数、リーチ数、クリック数などで確認することができます。
6-4. 「興味・関心」ステージの広告
「興味・関心」のステージにおける広告の目的は、ユーザーに自社の商品やサービスへ関心を持ってもらうことです。 もう少し広くいえば、貴社が狙ったイメージをユーザーに持ってもらい、強みを知ってもらうためのブランディングともいえます。
その意味では、「興味・関心」は広い意味での「認知」と重なる部分もあります。 広告制作の現場では、「認知」と「興味・関心」をひとつのステージとして捉えることも少なくありません。
「興味・関心」のステージで広告を出す場合、目標数値は資料ダウンロード数やお問い合わせ件数などで測ることができます。 ここで資料をダウンロードするユーザーは、いわゆる「見込み客」です。 そのため、資料ダウンロード時に名前やメールアドレスなどの連絡先を入力してもらう方法がよく使われます。
6-5. 「信用・信頼・比較検討」ステージの広告
「信用・信頼・比較検討」のステージにおける広告の目的は、競合他社との比較の中で、自社を選んでもらうことです。 この段階の見込み客は、すでに購入や依頼そのものは前向きに考えており、あとは「どこで買うか」「どこに依頼するか」を検討している状態だといえます。
比較されるポイントとして最も分かりやすいのは価格です。 しかし、価格競争ばかりを行うと、利益を削り続けることになってしまいます。 できれば「高くても貴社で買う理由」「少し高くても貴社に依頼する理由」を訴求していきたいところです。
価格以外の比較ポイントとしては、顧客満足度、実績数、販売数、サポート体制、専門性、地域での対応実績などが考えられます。 特に山陰の中小企業では、「近くで相談できる」「地域事情を分かっている」「顔が見える」という点が、信頼につながることもあります。
6-6. 「購入」ステージの広告
「購入」のステージにおける広告の役割は、顧客の背中を押してあげることです。 商品やサービスには関心があり、比較検討も終わっているけれど、最後の一歩を踏み出せない人に対して、購入やお問い合わせのきっかけを作ります。
例えば、「今なら5%OFF」のように価格面でメリットを訴求する方法があります。 ほかにも、「残りあと○個」「キャンペーン終了まであと1週間」といった形で、顧客の「買いそびれたくない」という感情に働きかける方法もあります。
いずれにせよ、このステージでは、顧客に対して「今、それを買う理由」「今、問い合わせる理由」を与えられる広告を考えると良いでしょう。
6-7. 媒体の選定:「いつ、だれに、なにを、どこで」
広告媒体の選定は、「どこで広告を表示させるのか」という掲載場所の問題です。 しかし、掲載場所を考えるためには、前述した広告の役割を踏まえながら、「いつ、だれに、なにを」届けるのかを整理しておく必要があります。
例えば、ペットショップの広告について、「信用・信頼・比較検討」のステージでの出稿を考えてみましょう。
- いつ:近くにペットショップがないか探してみようと思ったとき
- だれに:子育てが終わった50代の男女に向けて
- なにを:初めての人でも安心して相談できるペットショップであることを
このように考えた場合、「近くのペットショップを探す」という行動が想定されるため、リスティング広告が適しているといえます。 Google検索、Yahoo!検索、Bing検索などで関連キーワードを検索した人に広告を表示することで、比較検討中のユーザーにアプローチできます。
なお、Google、Yahoo!、Bingのどこに出稿するかは、商材やターゲットによって相性があります。 最初は利用者の多いGoogleやYahoo!を中心に出稿し、運用を続ける中で、最も費用対効果の良い媒体を探していくことが多いでしょう。
同じペットショップの広告でも、別のパターンを考えることもできます。
- いつ:余暇の時間に
- だれに:一度、ペットショップのホームページを訪れた人に向けて
- なにを:イベント「何でも聞ける! 初めてのペット相談会」の開催案内を
このような場合は、「一度ホームページを訪れた人」に再度アプローチするため、リターゲティング広告が適していると考えられます。 また、趣味嗜好や年齢などで配信相手を絞り込みたい場合には、SNS広告にチャレンジするのも有効な手段です。
7. クリエイティブ
次に、クリエイティブについて考えていきましょう。 クリエイティブとは、その広告で使う具体的な広告物のことです。 キャッチコピー、広告文、バナー画像、LP、その他のデザイン全般が含まれます。
クリエイティブは、実際にユーザーの目に触れる部分です。 そのため、広告効果に直接影響します。
7-1. キャッチコピー・広告文を作成する
広告の基本は、ユーザーの行動変容を起こすことです。 例えば、まだその商品を購入したことがない人が、広告を見たことをきっかけに購入するようになる。 これが広告による行動変容です。
そして行動変容を起こすためには、その前段階として意識変容が必要です。 つまり、広告を見る前にはその商品を欲しいと思っていなかった人が、広告を見た結果、「これ、欲しいかもしれない」と感じるようになる状態です。
そのように考えると、キャッチコピーや広告文でまず重要なのは、「気になる」「知りたい」「欲しい」と思ってもらえるかどうかです。 そのための大きなポイントは、広告を見た人に「これは自分に関係がある」と感じてもらうことです。
そして、そのようなキャッチコピーや広告文を作るためには、作り手側が「この広告は誰に向けた広告なのか」をきちんと理解している必要があります。 つまり、前述したペルソナやカスタマージャーニーマップが重要になるということです。
例:お弁当に入れる冷凍惣菜のキャッチコピー
忙しい朝にぴったり! “時短”でおいしい!
この場合、ターゲットを「毎朝お弁当を作る必要がある人」と設定しています。 「忙しい朝」「時短」というキーワードによって、自分ごととして受け止めてもらいやすくなります。
7-2. バナーデザインを行う
バナー広告は、潜在層、つまりまだ商品やサービスを認知していないユーザーに向けて使われることが多い広告です。 そのため、基本的には、まだ主体的に情報を探していないユーザーの注意を引き、潜在的なニーズを掘り起こすことを意識してデザインを作成します。
もっと簡単にいえば、ユーザーがバナーを見たときに「この情報は自分に必要かもしれない」と感じ、クリックしてくれる状態を目指します。
バナーを作成するときは、次のような手順で考えると整理しやすくなります。
- 何のためのバナーなのかを考える
バナーの目的や、誰に向けたものなのかを整理し、方向性を明確にします。
- どういう言葉で伝えるかを考える
目的や方向性を踏まえて、広告に使う文言を検討します。
- どんなデザインにするかを考える
画像、背景、配色、文字の大きさなど、どのような見せ方にすれば伝わりやすいかを検討します。
- 成果を確認してA/Bテストを繰り返す
A/Bテストを行う際には、検証する箇所を1つに絞ることが大切です。 キャッチコピーを比較したい場合は、写真や色などは変えず、キャッチコピーだけを変更します。
7-3. LP制作を行う
次に、LP(ランディングページ)を作っていきます。 LPには、広告をクリックしたユーザーが流入してきます。 例えるなら、「バナー広告とLP」は「お店の看板と店内」の関係に似ています。
看板を見て入ってきた人が、店内を見てどう思うのか。 これは非常に重要です。 看板に惹かれて入ってきたお客様が、店内を見て「求めていたイメージと違う」と感じれば、当然すぐに帰ってしまいます。
LPの目的はCV(コンバージョン)してもらうことです。 そのため、ユーザーがすぐにページを離脱してしまう状態は避けなければなりません。
LPは、通常のWebサイトに比べて縦に長い構造をしていることが多いです。 これは、伝えたい情報を、伝えたい順番で見せやすいためです。 何をどの順番で伝えるかは、扱っている商材や、プランニングで設定したペルソナによって異なります。
ただし、どのような商材やペルソナであっても、基本的な考え方としては「ユーザーと対話するイメージを持つ」ことが大切です。 LPでは、ついついこちらが言いたいことだけを並べてしまいがちです。 しかし、ユーザーが知りたい内容、つまりクリックした広告に書いてあった内容に応える情報が用意されていなければ、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
7-4. LPの基本的な流れ
CVしてもらうために、どんな情報をどの順番で出していくかを考えるのは、初めてLPを作るときには少し大変です。 そこで、汎用的な大きな流れを下記に示します。 細かい点は商材やペルソナに応じて調整し、公開後は効果を検証しながら改善していきます。
- まずは興味を引く
クリックした広告と内容にずれがないようにします。
- 自分ごとにしてもらう
ペルソナが持っている悩みや課題を取り上げ、その解決策として商品・サービスを提示します。
- 商品・サービスを理解してもらう
商品の特徴、強み、良いところを分かりやすく説明します。
- 購入したいという動機づけをする
類似商品ではなく、この商品が選ばれている理由を伝えます。 品質、対応の良さ、実績、地域密着性などが考えられます。
- 信頼してもらう
口コミ、お客様の声、客観的な数字、実績、保証制度などを掲載し、安心感を与えます。
- 購入・お問い合わせにつなげる
「今なら○%OFF」「無料相談受付中」「資料請求はこちら」など、次の行動を分かりやすく提示します。
LPの冒頭部分では、特にユーザーの興味を引くことが重要です。 一般的に、ユーザーはそのLPを読み進めるか、それとも離脱するかを最初の数秒で判断すると言われています。 「思っていた内容と違う」と感じさせないことはもちろん、ユーザーの「気になる」を引き出すことが大切です。
その後は、この商品やサービスを利用するメリットや効果を表現していきます。 あるいは、利用しないことによる損失や不便さを伝え、「購入した方がプラスになる」という印象を作ることも有効です。
また、ユーザーがリスクだと感じることに対しては、返金保証、サポート体制、お客様の声、導入実績などを掲載し、不安を和らげることも大切です。
8. まとめ
ネット広告は、山陰の中小企業にとっても活用しやすいWebマーケティング施策のひとつです。 ただし、「とりあえず広告を出せば良い」というものではありません。
大切なのは、広告の目的を明確にし、誰に、どのタイミングで、何を伝えるのかを整理することです。 そのうえで、リスティング広告、ディスプレイ広告、動画広告、SNS広告などの中から、自社の目的に合った媒体を選ぶ必要があります。
また、広告は出して終わりではありません。 数値を確認し、仮説を立て、改善を繰り返すことで、少しずつ費用対効果を高めていくものです。
初めて広告を出すときには難しく感じるかもしれませんが、まずは小さく始め、結果を見ながら改善していくことが大切です。 山陰の中小企業にとっても、正しく設計されたネット広告は、新しいお客様との出会いを作る有効な手段になるはずです。
ヒニアラタ編集部 監修: 馬庭 吾以千
ヒニアラタ編集部では地方の中小企業様のWeb活用をお手伝いするため、私たちが持っている専門知識を「コラム」という形で分かりやすく公開しています。 私たち自身が地方の企業であるからこそ分かること、感じることがあると思っています。