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Column コラム

山陰企業のためのRFPの作り方③!スケジュール・予算からまとめまで 〜Web活用の専門会社が全部公開!〜

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13. スケジュールと予算を書く

RFPでは、ホームページ制作のスケジュールと予算についても明確に書いておく必要があります。 スケジュールと予算は、制作会社が提案内容や制作範囲を考えるうえで重要な条件です。 どれだけ理想的な提案であっても、希望する公開時期や予算に合わなければ、実現が難しくなることがあります。

ホームページ制作には、ヒアリング、企画、サイト構成、デザイン、原稿作成、写真撮影、コーディング、CMS構築、フォーム設定、確認、修正、公開作業など、多くの工程があります。 制作会社だけでなく、依頼者側でも原稿確認、写真準備、社内承認、掲載内容の確認などが必要になります。

そのため、RFPでは「いつまでに公開したいのか」「なぜその時期に公開したいのか」「どのくらいの予算を想定しているのか」をできるだけ具体的に伝えることが大切です。 スケジュールや予算が整理されていれば、制作会社は現実的な提案を行いやすくなります。

山陰の企業・団体の場合、年度末、採用活動、イベント、観光シーズン、補助金の期限、事業開始時期などに合わせてホームページを公開したいケースもあります。 こうした事情がある場合は、RFPにその背景も書いておくとよいでしょう。

13-1. 希望公開日

まず、ホームページの希望公開日を記載します。 希望公開日は、制作スケジュール全体の基準になります。 「できるだけ早く」ではなく、可能であれば具体的な日付や時期を書いておくと、制作会社が工程を組み立てやすくなります。

希望公開日の書き方には、次のような例があります。

  • 2026年10月末までに公開したい
  • 年度内に公開したい
  • 採用活動が始まる前の2月までに公開したい
  • 新サービス開始に合わせて公開したい
  • イベント告知に間に合うように公開したい
  • 補助金の事業期間内に公開したい

希望公開日には、理由も添えておくとよいでしょう。 たとえば、「新卒採用のエントリー開始に間に合わせたい」「展示会で案内するために公開したい」「新店舗オープンに合わせたい」「観光シーズン前に情報を整えたい」などです。 理由がわかると、制作会社はどの工程を優先すべきか判断しやすくなります。

ただし、希望公開日が近すぎる場合は、制作範囲を調整する必要があります。 すべてのページや機能を最初から作り込むのではなく、公開時に必要な内容を優先し、公開後に段階的に追加していく方法もあります。

たとえば、まず会社案内、サービス紹介、お問い合わせ、採用情報などの主要ページを公開し、実績紹介やコラム、詳細な採用コンテンツは公開後に追加する方法です。 このような段階公開を検討できる場合は、RFPに「優先ページから公開する提案も可」と書いておくとよいでしょう。

希望公開日は、制作会社に無理な納期を押しつけるためのものではありません。 目的に合わせてスケジュールを共有し、現実的な進め方を相談するための情報です。

13-2. 提案・選定・制作・確認・公開までの流れ

RFPには、提案依頼から公開までの大まかな流れも書いておくと親切です。 特に複数の制作会社に提案を依頼する場合は、質問受付、提案書提出、選定、契約、制作開始、公開予定日などを明確にしておく必要があります。

一般的な流れとしては、次のような工程が考えられます。

  • RFPの配布
  • 制作会社からの質問受付
  • 質問への回答共有
  • 提案書・見積書の提出
  • 提案内容の確認
  • 制作会社の選定
  • 契約・発注
  • キックオフミーティング
  • サイト構成・仕様の確定
  • 原稿・写真の準備
  • デザイン制作
  • コーディング・CMS構築
  • 確認・修正
  • 公開作業
  • 公開後の確認・運用開始

RFPでは、提案依頼から発注までのスケジュールを特に明確にしておくとよいでしょう。 たとえば、質問受付期限、提案書の提出期限、プレゼンテーションの有無、選定結果の通知予定日などです。

制作開始後の詳細な工程は、制作会社の進め方によって異なります。 そのため、RFPでは「希望する公開時期」と「社内確認に必要な期間」を共有し、具体的な制作スケジュールは提案してもらう形でも問題ありません。

また、確認や修正の回数もスケジュールに影響します。 デザイン確認、原稿確認、テストサイト確認など、それぞれの段階で依頼者側の確認が必要になります。 確認に時間がかかる場合は、制作会社側の作業が止まってしまうこともあります。

RFPには、「提案時に制作スケジュール案を提示してほしい」「公開までの各工程と依頼者側の作業も示してほしい」などと書いておくと、制作会社から具体的な進行計画を受け取りやすくなります。

13-3. 社内確認にかかる時間を見込む

ホームページ制作のスケジュールで見落とされやすいのが、依頼者側の確認にかかる時間です。 制作会社の作業期間だけを考えていると、社内確認や承認に時間がかかり、結果として公開が遅れることがあります。

たとえば、次のような確認作業が発生します。

  • サイト構成案の確認
  • デザイン案の確認
  • 原稿内容の確認
  • 写真や素材の確認
  • フォーム項目の確認
  • テストサイトの表示確認
  • スマートフォン表示の確認
  • 公開前の最終確認

確認者が少ない場合は比較的スムーズに進みますが、代表者、役員、複数部署、委員会、関係機関などが確認する場合は、時間がかかることがあります。 学校、行政、医療、福祉、団体サイトなどでは、確認者が多くなりやすいため、あらかじめ承認フローを整理しておくことが大切です。

社内確認で注意したいのは、修正意見の取りまとめです。 複数人が別々に修正指示を出すと、内容が重複したり、意見が矛盾したりすることがあります。 そのため、制作会社へ伝える前に、社内で意見をまとめる担当者を決めておくとよいでしょう。

RFPには、確認体制について次のような情報を書いておくと、制作会社がスケジュールを見積もりやすくなります。

  • 主な窓口担当者
  • 最終決定者
  • 確認に関わる部署や人数
  • 役員会や委員会の承認が必要か
  • 確認に通常どのくらい時間がかかるか
  • 長期休暇や繁忙期があるか

特に、年度末や年末年始、夏季休業、採用活動の繁忙期、イベント前などは確認が遅れやすくなります。 こうした時期がある場合は、スケジュールに余裕を持たせることが重要です。

ホームページ制作は、制作会社だけで進むものではありません。 依頼者側の確認や判断も重要な工程です。 RFPの段階で社内確認にかかる時間を見込んでおくことで、無理のない制作スケジュールを組みやすくなります。

13-4. 予算の書き方

RFPでは、予算についてもできるだけ記載することをおすすめします。 予算を書かないほうが安く提案してもらえるのではないかと考える方もいますが、実際には予算がわからないと、制作会社はどの範囲まで提案すればよいのか判断しにくくなります。

ホームページ制作の費用は、ページ数、デザインの作り込み、CMSの有無、フォームの数、写真撮影、ライティング、システム開発、SEO設計、保守内容などによって大きく変わります。 同じ「ホームページ制作」でも、会社案内中心の小規模サイトと、採用、実績、予約、会員機能まで含むサイトでは、必要な作業量がまったく異なります。

予算を書くときは、次のような形が考えられます。

  • 初期制作費として100万円程度を想定
  • 初期制作費は150万円以内を希望
  • 撮影・ライティング込みで検討したい
  • 初期費用と月額保守費を分けて提案してほしい
  • 複数パターンの見積を出してほしい
  • 必要最小限の案と、理想的な案の両方を見たい

予算を記載することで、制作会社はその範囲内で優先順位を考えた提案ができます。 たとえば、限られた予算の中で問い合わせ獲得を重視するなら、ページ数を絞ってサービス紹介と問い合わせ導線を強化する提案になるかもしれません。 採用を重視するなら、社員インタビューや写真撮影に予算を配分する提案になるかもしれません。

また、予算には初期制作費だけでなく、公開後の保守費用や広告費、撮影費、ライティング費、サーバー費用なども関係します。 RFPでは、どこまでを制作費に含めたいのか、別予算として考えているものがあるのかを整理しておきましょう。

たとえば、「初期制作費とは別に、公開後の保守費用も提案してほしい」「Web広告費は別予算で検討する」「写真撮影は別途見積にしてほしい」といった書き方ができます。

予算は、制作会社を制限するためだけのものではありません。 限られた条件の中で、何を優先し、何を後回しにするかを判断するための基準です。 RFPに予算感を書いておくことで、現実的で比較しやすい提案を受けやすくなります。

13-5. 予算未定の場合の伝え方

予算がまだ決まっていない場合でも、RFPにはその状況を正直に書いておくとよいでしょう。 「予算未定」とだけ書くのではなく、どのような考え方で検討しているのかを伝えることで、制作会社は提案を組み立てやすくなります。

予算未定の場合の書き方には、次のような例があります。

  • 予算は未定のため、必要な範囲と費用感を提案してほしい
  • 目的達成に必要な内容を優先して見積を提示してほしい
  • 最低限必要な案と、充実させた案の2案を提案してほしい
  • 段階的に公開する場合の費用も知りたい
  • 初期費用を抑え、公開後に追加していく方法も検討したい
  • 補助金の活用を想定しており、予算は今後確定する予定

予算未定の場合は、提案内容が制作会社ごとに大きく異なることがあります。 ある会社は必要最小限の提案を出し、別の会社は理想的なフル機能の提案を出すかもしれません。 そのままでは比較が難しくなるため、提案してほしい範囲をある程度指定しておくことが大切です。

たとえば、「必須要件」と「できれば対応したい要件」を分けて書くと、制作会社は優先順位をつけやすくなります。 必須要件として、会社案内、サービス紹介、お問い合わせフォーム、スマートフォン対応を挙げ、追加要件として、採用ページ、ブログ、実績紹介、撮影、SEO記事などを挙げる方法です。

また、予算が未定でも、上限に近い考え方がある場合は共有したほうがよい場合があります。 「大規模なシステム開発までは想定していない」「まずは会社案内と問い合わせ導線を整えたい」「採用コンテンツには一定の費用をかけたい」など、判断材料になる情報を伝えましょう。

山陰の中小企業や団体では、補助金や助成金を活用してホームページ制作を検討することもあります。 その場合は、申請時期、採択時期、事業実施期間、支払い条件などがスケジュールに関わるため、RFPに書いておくと制作会社が対応しやすくなります。

スケジュールと予算は、ホームページ制作の現実的な進め方を決めるための重要な情報です。 希望公開日、社内確認の期間、予算感、予算未定の場合の考え方をRFPに整理しておくことで、制作会社から実行可能で比較しやすい提案を受けやすくなります。

14. 提案してほしい内容を明確にする

RFPでは、制作会社に「何を提案してほしいのか」を明確に書いておくことが大切です。 ホームページ制作の相談では、見積金額だけに目が向きがちですが、本当に比較すべきなのは、金額だけではありません。 目的をどのように理解しているか、どのようなサイト構成を提案しているか、公開後の運用まで考えられているかなど、提案内容全体を見る必要があります。

たとえば、同じ「ホームページリニューアル」という依頼でも、制作会社によって提案の方向性は異なります。 デザインを重視する会社もあれば、SEOや広告運用を重視する会社もあります。 CMSやシステム開発に強い会社、採用コンテンツの制作が得意な会社、地域密着の情報発信に詳しい会社など、それぞれに特徴があります。

そのため、RFPでは「見積書をください」だけでなく、「どのような観点で提案してほしいのか」を具体的に伝えることが重要です。 提案してほしい内容を明確にしておくことで、各社の提案を比較しやすくなり、自社・自団体に合った制作会社を選びやすくなります。

山陰の企業・団体がホームページ制作を依頼する場合も、地域理解、運用のしやすさ、採用や集客への対応、公開後の相談体制など、確認しておきたいポイントがあります。 RFPに提案項目を整理しておくことで、制作会社から具体的で実用的な提案を受けやすくなります。

14-1. 見積書だけでなく提案内容も依頼する

ホームページ制作を依頼するとき、見積書だけを比較してしまうと、判断を誤ることがあります。 見積金額が安く見えても、原稿作成、写真撮影、CMS構築、フォーム設定、SEO設計、保守対応などが含まれていなければ、後から追加費用が発生することがあります。

反対に、金額が高く見える提案でも、企画、設計、取材、ライティング、撮影、運用サポートまで含まれている場合は、内容として妥当なこともあります。 そのため、RFPでは見積書だけでなく、提案内容もあわせて提出してもらうようにしましょう。

提案書に含めてもらいたい内容には、次のようなものがあります。

  • 現状課題への理解
  • 制作・リニューアルの方針
  • サイト構成案
  • デザインの方向性
  • 必要な機能・システムの考え方
  • SEO・集客への対応方針
  • 原稿・写真・素材準備の考え方
  • 制作スケジュール
  • 公開後の保守・運用サポート
  • 見積金額と内訳

提案内容を依頼することで、制作会社がどれだけ自社・自団体の目的を理解しているかを確認できます。 単にページ数と金額だけを並べた見積ではなく、なぜその構成が必要なのか、どのように成果につなげるのかまで説明されている提案のほうが、判断しやすくなります。

RFPには、「見積書に加えて、企画方針やサイト構成案を含む提案書を提出してください」と書いておくとよいでしょう。 また、「費用の内訳がわかるようにしてください」「オプション項目は別に記載してください」といった指定をしておくと、比較しやすくなります。

14-2. サイト構成案

制作会社には、サイト構成案を提案してもらうことをおすすめします。 サイト構成案とは、ホームページにどのようなページを作り、それらをどのように整理するかを示すものです。 サイトマップと呼ばれることもあります。

サイト構成は、ホームページの使いやすさや成果に大きく関わります。 必要な情報があっても、ページの分け方や導線がわかりにくければ、閲覧者は目的の情報にたどり着きにくくなります。 反対に、情報が整理されていれば、サービス内容、実績、採用情報、問い合わせなどへスムーズに進んでもらいやすくなります。

RFPでは、自社が想定しているページ一覧を提示したうえで、制作会社によりよい構成を提案してもらう形がよいでしょう。 たとえば、次のように依頼できます。

  • 目的に合ったサイト構成案を提案してほしい
  • 既存サイトのページを整理した構成案を出してほしい
  • 問い合わせにつながりやすい導線を提案してほしい
  • 採用情報を強化する構成を提案してほしい
  • 地域別・サービス別のページ構成を提案してほしい
  • 公開時に必要なページと、公開後に追加するページを分けて提案してほしい

サイト構成案を見るときは、ページ数の多さだけで判断しないことが大切です。 ページ数が多ければよいわけではありません。 目的に対して必要な情報が整理されているか、閲覧者が迷わず移動できるか、更新しやすい構成になっているかを確認しましょう。

山陰の企業・団体の場合、対応エリアや地域ごとの情報をどう扱うかも重要です。 「松江市向け」「出雲市向け」「島根県西部向け」などのエリア別ページを作る場合は、それぞれのページに意味のある情報を掲載できるかを検討する必要があります。

制作会社にサイト構成案を提案してもらうことで、自社では気づかなかったページや導線の改善点が見つかることがあります。 RFPでは、ページ一覧を固定しすぎず、制作会社の提案余地を残しておくことも大切です。

14-3. デザイン方針

提案書では、デザイン方針も確認したい項目です。 デザイン方針とは、どのような印象を目指すのか、誰に向けてどのように見せるのか、どのような表現で会社や団体の魅力を伝えるのかという考え方です。

RFPで参考サイトや希望する雰囲気を伝えている場合でも、制作会社からは、その目的やターゲットに合わせたデザイン方針を提案してもらうとよいでしょう。 単に「きれいなデザインにします」ではなく、「採用希望者に職場の雰囲気が伝わるように写真を活かす」「法人顧客に信頼感を与えるために落ち着いた配色にする」など、理由のある提案が望ましいです。

デザイン方針で確認したい項目には、次のようなものがあります。

  • 目指す印象
  • ターゲットに合わせた見せ方
  • トップページの考え方
  • 写真やイラストの使い方
  • ロゴやブランドカラーの扱い
  • スマートフォンでの見せ方
  • 山陰らしさ・地域性の表現
  • 情報の読みやすさへの配慮

デザインは好みだけで判断しないことが大切です。 社内で確認すると、どうしても「好き」「嫌い」の意見が出やすくなります。 しかし、本来確認すべきなのは、RFPに書いた目的やターゲットに合っているかどうかです。

たとえば、採用を重視するサイトであれば、求職者が会社の雰囲気を感じ取れるデザインになっているかを確認します。 問い合わせを増やしたいサイトであれば、サービス内容がわかりやすく、問い合わせへの導線が見つけやすいかを確認します。 公共性の高いサイトであれば、見た目の個性よりも、情報の探しやすさや読みやすさが重要になることもあります。

RFPには、「デザイン案だけでなく、デザイン方針の説明も提案書に含めてほしい」と書いておくとよいでしょう。 方針が明確であれば、デザイン確認時の判断基準も共有しやすくなります。

14-4. CMS・システム構成

ホームページにCMSやフォーム、予約、会員機能などが必要な場合は、CMS・システム構成についても提案してもらいましょう。 見た目が同じようなホームページでも、裏側の仕組みによって、更新のしやすさ、保守性、セキュリティ、将来の拡張性は大きく変わります。

CMSを導入する場合は、どのCMSを使うのか、どの範囲を社内で更新できるようにするのか、管理画面はどのような形になるのかを確認します。 WordPressなどの一般的なCMSを使うのか、独自CMSを使うのか、既存サービスを利用するのかによって、費用や運用方法が異なります。

制作会社に提案してもらいたい項目には、次のようなものがあります。

  • 使用するCMSの種類
  • CMSを導入する理由
  • 社内で更新できる範囲
  • 管理画面の使いやすさ
  • 権限管理の有無
  • フォームの仕様
  • 予約・決済・会員機能の実現方法
  • 外部サービス利用の有無
  • セキュリティ対策
  • 保守・アップデートの方針

システム構成を比較するときは、「どの機能があるか」だけでなく、「公開後に運用しやすいか」を見ることが大切です。 多機能な仕組みでも、担当者が使いこなせなければ更新が止まってしまいます。 逆に、必要な機能に絞ったシンプルなCMSのほうが、長く使いやすい場合もあります。

予約、決済、会員機能などが必要な場合は、ゼロから開発するのか、外部サービスを活用するのかも重要な判断になります。 外部サービスを使うことで費用を抑えられる場合がありますが、デザインや機能の自由度が制限されることもあります。 独自開発は自由度が高い一方で、開発費や保守費が大きくなることがあります。

RFPには、「CMSやシステム構成について、理由を含めて提案してほしい」「外部サービス利用も含めて現実的な方法を提案してほしい」と書いておくと、制作会社から比較しやすい提案を受けやすくなります。

14-5. SEO・運用改善の提案

ホームページを集客や採用に活用したい場合は、SEOや公開後の運用改善についても提案してもらうことが重要です。 ホームページは公開して終わりではなく、検索状況やアクセス状況を見ながら改善していくことで、成果につながりやすくなります。

RFPでは、SEOについてどの範囲まで提案してほしいのかを書いておきましょう。 たとえば、サイト構成の段階からSEOを考慮するのか、ページタイトルや見出しを整えるのか、コラム記事の方針まで提案してもらうのかによって、提案内容は変わります。

提案してもらいたい項目には、次のようなものがあります。

  • SEOを意識したサイト構成
  • 対策キーワードの考え方
  • 地域名を含む検索への対応
  • サービスページの設計
  • ブログ・コラムの運用方針
  • 構造化データへの対応
  • Googleビジネスプロフィールとの連携
  • アクセス解析の導入
  • 公開後の改善提案

SEOの提案を見るときは、「検索順位を保証する」といった言葉だけに注目しないようにしましょう。 検索順位はさまざまな要因で変動するため、確実な保証は難しいものです。 重要なのは、自社の事業内容やターゲットに合ったキーワード設計、情報設計、継続的な改善方針があるかどうかです。

山陰の企業・団体の場合は、地域名を含む検索への対応も大切です。 「島根」「鳥取」「山陰」「松江市」「出雲市」「米子市」など、どの地域を重視するのかによって、ページ構成や文章の書き方が変わります。 地域ごとのページを作る場合は、内容の薄いページにならないよう、実績や地域事情を含めた情報設計が必要です。

また、公開後にどのような改善を行うのかも確認しておきましょう。 月次レポート、アクセス解析、検索キーワードの確認、問い合わせ導線の改善、記事追加の提案、広告運用との連携など、制作会社によって対応範囲は異なります。

RFPには、「SEOの基本対応だけでなく、公開後の改善提案も含めてほしい」「地域名検索やAI検索時代を意識した情報設計を提案してほしい」など、期待する範囲を書いておくとよいでしょう。

14-6. 保守費用・公開後サポート

提案を依頼するときは、初期制作費だけでなく、公開後の保守費用やサポート内容も確認しておきます。 ホームページは公開後にも、更新、修正、セキュリティ対応、バックアップ、不具合対応、アクセス解析などが必要になるためです。

RFPでは、保守・運用サポートについて、提案書に含めてもらうよう依頼しましょう。 特にCMSを使う場合や、フォーム、予約、会員機能などがある場合は、公開後の保守体制が重要になります。

保守費用・公開後サポートで確認したい項目には、次のようなものがあります。

  • 月額保守費用
  • 保守費用に含まれる作業範囲
  • 軽微な修正の対応範囲
  • CMSやプラグインのアップデート
  • バックアップの有無
  • 不具合発生時の対応
  • セキュリティ対応
  • アクセス解析レポート
  • 改善提案の有無
  • 問い合わせ方法と対応時間

保守契約は、制作会社によって内容が大きく異なります。 月額費用が安くても、ほとんどの作業が別料金になる場合もあります。 反対に、月額費用が高めでも、定期的な更新、バックアップ、セキュリティ対応、レポート提出まで含まれている場合もあります。

そのため、保守費用を見るときは、金額だけでなく「何が含まれているか」を確認しましょう。 軽微な修正とはどの範囲か、対応回数に制限があるか、緊急時の対応は可能か、CMSのアップデート後に不具合が出た場合はどうするかなど、具体的な条件を確認することが大切です。

山陰の企業・団体では、社内にWeb担当者が専任でいない場合もあります。 その場合、公開後に気軽に相談できる制作会社の存在は重要です。 お知らせの更新、採用情報の変更、写真差し替え、イベント情報の追加、アクセス解析の見方など、継続的な相談が必要になることがあります。

RFPには、「公開後の保守・運用サポートも提案してほしい」「月額保守費用と対応範囲を明記してほしい」「改善提案やアクセス解析の支援も含めて検討したい」と書いておくとよいでしょう。

提案してほしい内容を明確にしておくことは、制作会社を正しく比較するために重要です。 見積金額だけでなく、サイト構成、デザイン方針、CMS・システム構成、SEO・運用改善、保守サポートまで確認することで、自社・自団体に合った制作会社を選びやすくなります。

15. 制作会社を比較するときのポイント

RFPをもとに複数の制作会社から提案を受け取ったら、次はその内容を比較します。 ホームページ制作会社を選ぶときは、見積金額だけで判断しないことが大切です。 金額はもちろん重要ですが、提案内容、目的理解、制作体制、公開後のサポート、地域への理解なども含めて総合的に判断する必要があります。

同じRFPを渡しても、制作会社によって提案の方向性は大きく異なります。 ある会社はデザイン性を重視するかもしれません。 別の会社はSEOや広告運用を重視するかもしれません。 CMSやシステム開発に強い会社もあれば、取材やライティング、採用コンテンツの制作に強い会社もあります。

そのため、制作会社を比較するときは、「自社・自団体が今回のホームページ制作で何を実現したいのか」に立ち返ることが重要です。 問い合わせを増やしたいのか、採用を強化したいのか、信頼性を高めたいのか、情報発信をしやすくしたいのかによって、選ぶべき制作会社は変わります。

山陰でホームページ制作を依頼する場合は、地域事情への理解や、公開後に相談しやすい体制も重要な比較ポイントになります。 ただし、地元だからよい、県外だから悪いという単純な判断ではなく、目的に合った提案ができているか、運用まで見据えているかを確認しましょう。

15-1. 金額だけで判断しない

制作会社を比較するとき、最も目につきやすいのは見積金額です。 もちろん、予算に合っているかどうかは重要です。 しかし、金額だけで判断すると、必要な作業が含まれていなかったり、公開後に追加費用が発生したりすることがあります。

ホームページ制作の見積には、さまざまな作業が含まれます。 たとえば、企画、設計、デザイン、コーディング、CMS構築、フォーム設定、原稿作成、写真撮影、SEO設計、アクセス解析設定、公開作業、保守対応などです。 見積金額が安くても、これらのうち一部が含まれていなければ、結果的に追加費用が必要になることがあります。

比較するときは、次のような点を確認しましょう。

  • 見積に含まれる作業範囲は明確か
  • ページ数や機能の前提は同じか
  • CMS構築が含まれているか
  • フォーム設定が含まれているか
  • 原稿作成やライティングが含まれているか
  • 写真撮影が含まれているか
  • SEOの基本対応が含まれているか
  • 公開作業が含まれているか
  • 保守費用は別途か
  • 追加費用が発生する条件は明確か

安い見積が悪いわけではありません。 必要な範囲を絞り、シンプルな構成で制作する場合は、費用を抑えた提案が適していることもあります。 反対に、採用強化、SEO、取材、撮影、システム開発まで含めたい場合は、一定の費用が必要になります。

大切なのは、金額と内容のバランスを見ることです。 「何が含まれていて、何が含まれていないのか」を確認し、自社の目的に対して妥当な提案かどうかを判断しましょう。

15-2. 地域理解があるか

山陰でホームページ制作を依頼する場合、地域理解があるかどうかも重要な比較ポイントです。 地域の顧客に向けた情報発信、採用、観光、行政・公共情報などでは、地域事情を踏まえた提案が必要になることがあります。

たとえば、島根県や鳥取県の企業がホームページを作る場合、対応エリア、地域名を含む検索、地元での実績、車移動を前提としたアクセス情報、地域の採用事情などが関係することがあります。 県外の人に向けたサイトであれば、山陰という地域を知らない人にも伝わる説明が必要になるかもしれません。

地域理解を見るときは、単に「地元の会社かどうか」だけではなく、提案内容に地域への視点が入っているかを確認しましょう。

  • 対応エリアや地域名の扱いを考えているか
  • 地域の顧客に向けた導線を提案しているか
  • 山陰での採用やUターン・Iターンを意識しているか
  • 地域での実績や活動を活かす提案があるか
  • 観光・行政・医療・福祉など地域性の強い分野に配慮しているか
  • 地元ユーザーの検索行動を想定しているか

地元制作会社であれば、地域事情を理解しており、対面で相談しやすいというメリットがあります。 一方で、県外の制作会社でも、専門性が高く、目的に合った提案ができる場合もあります。 重要なのは、地域性をどのようにホームページに反映するかを具体的に考えているかどうかです。

山陰らしさを出す場合も、単に風景写真を使うだけでは不十分です。 地域での信頼、事業の実績、働く人、利用者の声、対応エリア、地域との関わりなどをどう見せるかまで提案されているかを確認しましょう。

15-3. 目的に合った提案になっているか

制作会社を比較するときに最も重要なのは、提案が目的に合っているかどうかです。 RFPに書いた目的を制作会社が正しく理解し、その目的に対して具体的な提案をしているかを確認しましょう。

たとえば、問い合わせを増やしたいと書いたにもかかわらず、デザインの話ばかりで、サービスページや問い合わせ導線、フォーム改善、SEOについて触れられていない場合は、目的に対する提案として不十分かもしれません。

採用応募を増やしたい場合は、募集要項を掲載するだけではなく、求職者が知りたい情報、社員紹介、職場の雰囲気、応募前の不安を解消するコンテンツ、応募導線などが提案されているかを見る必要があります。

会社の信頼性を高めたい場合は、会社概要、代表メッセージ、実績、事例、資格・認定、お客様の声などをどのように見せるかが重要です。 商品やサービスをわかりやすく伝えたい場合は、サービスの分類、説明の順番、図解、よくある質問、事例などの提案があるかを確認します。

目的に合った提案かどうかを見るときは、次の点を確認しましょう。

  • RFPに書いた課題を理解しているか
  • 目的に対する具体的な解決策があるか
  • ターゲットに合わせた構成になっているか
  • 必要なページや導線が提案されているか
  • デザインの理由が目的と結びついているか
  • 公開後の成果や改善まで考えているか

提案書を見るときは、「見た目がよさそうか」だけでなく、「なぜその提案なのか」を確認することが大切です。 目的に合った提案には、デザインや機能、ページ構成に理由があります。 その理由が説明されている制作会社は、依頼内容を深く理解しようとしている可能性が高いといえます。

15-4. 公開後の運用まで考えられているか

ホームページは公開して終わりではありません。 公開後に情報を更新し、必要に応じて改善し、セキュリティやバックアップを維持していく必要があります。 そのため、制作会社を比較するときは、公開後の運用まで考えられているかを確認しましょう。

公開後の運用で重要になるのは、更新のしやすさです。 お知らせ、採用情報、実績紹介、ブログ、イベント情報などを社内で更新したい場合は、CMSの管理画面が使いやすいか、更新方法の説明があるか、マニュアルが用意されるかを確認する必要があります。

また、保守やセキュリティ対応も重要です。 CMSを使う場合は、アップデート、バックアップ、不具合対応、フォームの動作確認、セキュリティ対策などが必要になります。 これらが保守契約に含まれているのか、別途費用なのかを確認しましょう。

比較時に確認したい項目には、次のようなものがあります。

  • 公開後の更新方法が明確か
  • CMSの操作説明があるか
  • 保守契約の内容が具体的か
  • バックアップ対応があるか
  • セキュリティ対応が含まれるか
  • 軽微な修正の対応範囲が明確か
  • アクセス解析や改善提案があるか
  • 困ったときの相談先が明確か

特に、社内にWeb担当者が専任でいない場合は、公開後に相談できる体制が重要です。 「お知らせの更新方法がわからない」「採用情報を変更したい」「フォームに迷惑メールが増えた」「アクセス数を確認したい」といった相談は、公開後によく発生します。

山陰の企業・団体では、少人数でホームページ運用を行うことも多いため、運用しやすい設計と、相談しやすい保守体制が大切です。 提案の段階で、公開後の運用まで具体的に考えられているかを確認しましょう。

15-5. 担当者との相性・説明のわかりやすさ

ホームページ制作では、担当者との相性や説明のわかりやすさも重要です。 制作期間中は、何度も打ち合わせや確認を行います。 公開後も、更新や修正、保守、改善について相談することがあります。 そのため、安心して相談できる相手かどうかは、制作会社選びの大切なポイントです。

専門用語ばかりで説明されると、依頼者側が内容を理解できないまま進んでしまうことがあります。 逆に、難しい内容をわかりやすく説明してくれる制作会社であれば、判断しやすくなります。 特に、CMS、サーバー、SEO、広告、アクセス解析、セキュリティなどは専門的な内容になりやすいため、説明のわかりやすさが重要です。

担当者について確認したい点には、次のようなものがあります。

  • こちらの話を丁寧に聞いてくれるか
  • 目的や課題を理解しようとしているか
  • 専門的な内容をわかりやすく説明してくれるか
  • できること・できないことを正直に伝えてくれるか
  • 質問への回答が具体的か
  • 連絡方法や対応スピードが合っているか
  • 制作後も相談しやすそうか

また、提案時のやり取りは、制作開始後の進め方を想像する材料になります。 質問への回答が遅い、説明が曖昧、見積範囲が不明確、こちらの意図を汲み取らないまま進めようとする、といった場合は注意が必要です。

一方で、依頼者側も、制作会社にすべてを丸投げするのではなく、目的や情報をきちんと共有する姿勢が大切です。 よいホームページ制作は、制作会社だけでなく、依頼者との協力によって進みます。

担当者との相性は、価格表や提案書だけではわかりにくい部分です。 打ち合わせや質問への対応を通じて、安心して一緒に進められる相手かどうかを確認しましょう。

15-6. 山陰で依頼する場合の比較軸

山陰でホームページ制作を依頼する場合は、一般的な比較項目に加えて、地域ならではの比較軸も考えておくとよいでしょう。 地域の顧客や求職者に向けた情報発信、山陰内での認知、地元企業としての信頼性、県外への発信など、ホームページに求められる役割が地域性と関わることがあるためです。

山陰で依頼する場合の比較軸としては、次のようなものがあります。

  • 島根・鳥取の地域事情を理解しているか
  • 地域名を含むSEOに対応できるか
  • 地元企業・団体の制作実績があるか
  • 採用やUターン・Iターンへの視点があるか
  • 観光・行政・医療・福祉など地域性の強い分野に対応できるか
  • 公開後も相談しやすい体制があるか
  • 対面・オンラインどちらでも打ち合わせできるか
  • 地域内外へ発信するための提案があるか

たとえば、地域密着型の事業であれば、「地元で相談できる安心感」をホームページ上でどう伝えるかが重要になります。 対応エリア、地域での実績、スタッフの顔、アクセス、地元のお客様の声などをどう整理するかを確認しましょう。

採用を重視する場合は、山陰で働く魅力や、Uターン・Iターン希望者に向けた情報設計が必要になることがあります。 会社の魅力だけでなく、地域で暮らすイメージや、働き続けられる環境をどう伝えるかも比較ポイントになります。

観光や地域資源を扱うサイトでは、県外から訪れる人に向けた説明や導線が重要です。 山陰を知らない人にも伝わる情報設計、アクセス案内、季節ごとの見せ方、写真や多言語対応なども検討対象になります。

また、山陰の中小企業では、ホームページ公開後に継続的な相談が発生することも多くあります。 新しいサービスの追加、採用情報の更新、補助金活用、広告運用、SNS連携、アクセス解析など、公開後の伴走支援ができるかどうかも確認しておくと安心です。

制作会社を比較するときは、見積金額、デザイン、機能だけでなく、目的理解、地域理解、運用支援、説明のわかりやすさまで含めて判断しましょう。 RFPに書いた目的に対して、最も納得できる提案をしている会社を選ぶことが、よいホームページ制作につながります。

16. RFPに書かないほうがよいこと・注意点

RFPは、ホームページ制作会社に自社・自団体の考えを伝えるための大切な資料です。 しかし、何でも細かく書けばよいというものではありません。 書き方によっては、制作会社の提案の幅を狭めてしまったり、本来の目的からずれた提案になったりすることがあります。

RFPで大切なのは、「何を実現したいのか」「どのような課題を解決したいのか」「どの条件は外せないのか」を明確にすることです。 一方で、デザインや機能、システムの細部まで依頼者側で決めすぎてしまうと、制作会社の専門的な提案を受けにくくなることがあります。

また、要望を詰め込みすぎたり、目的と手段を混同したり、予算や納期を曖昧にしたまま依頼したりすると、提案内容や見積内容が比較しにくくなります。 RFPは、制作会社を縛るための資料ではなく、よい提案を引き出すための資料です。

この章では、RFPを書くときに注意したい点を整理します。 山陰の企業・団体がホームページ制作を依頼する場合でも、これらのポイントを押さえておくことで、制作会社との認識違いや、制作開始後の手戻りを減らしやすくなります。

16-1. 要望を詰め込みすぎない

RFPを作るときに注意したいのが、要望を詰め込みすぎることです。 せっかくホームページを作るなら、あれも入れたい、これもできるようにしたいと考えるのは自然なことです。 しかし、要望が多すぎると、目的がぼやけたり、予算やスケジュールに合わなくなったりすることがあります。

たとえば、問い合わせを増やしたい、採用応募も増やしたい、ブログも運用したい、動画も入れたい、予約機能もほしい、会員機能もほしい、多言語対応もしたい、広告用のページも作りたい、というようにすべてを一度に盛り込むと、制作範囲は大きくなります。

要望が多いこと自体が悪いわけではありません。 重要なのは、優先順位をつけることです。 RFPでは、要望を「必ず必要なもの」と「できれば対応したいもの」に分けて書くと、制作会社が現実的な提案をしやすくなります。

たとえば、次のように整理できます。

  • 必須:会社案内、サービス紹介、お問い合わせフォーム、スマートフォン対応
  • 重要:採用情報、実績紹介、SEOを意識したページ設計
  • できれば:ブログ機能、動画掲載、多言語対応、広告用ランディングページ
  • 将来的に検討:会員機能、予約機能、決済機能

このように分類しておくと、制作会社は予算や公開時期に合わせて、どこまでを初期制作に含めるべきか、どこからを次の段階に回すべきかを提案しやすくなります。

また、要望を詰め込みすぎると、閲覧者にとってもわかりにくいホームページになることがあります。 会社側が載せたい情報をすべて並べるのではなく、ターゲットが必要とする情報を優先して整理することが大切です。

山陰の中小企業や団体では、限られた予算や人員でホームページを運用することも多くあります。 公開時にすべてを完成させようとするのではなく、まず重要なページを整え、公開後に情報を追加していく進め方も検討しましょう。

16-2. 目的と手段を混同しない

RFPを書くときは、目的と手段を混同しないことが重要です。 目的とは、ホームページを通じて実現したいことです。 手段とは、その目的を実現するための方法です。

たとえば、「問い合わせを増やしたい」は目的です。 そのための手段として、サービスページを改善する、問い合わせボタンを目立たせる、よくある質問を追加する、実績紹介を充実させる、SEO対策を行う、といった方法があります。

一方で、「ブログを作りたい」「動画を載せたい」「Instagramを埋め込みたい」「予約機能を入れたい」といった要望は、多くの場合、手段です。 それ自体が目的ではなく、何のために必要なのかを考える必要があります。

目的と手段を整理せずにRFPを書くと、制作会社は「なぜその機能が必要なのか」を判断しにくくなります。 たとえば、ブログ機能を希望していても、社内で記事を書く体制がなければ、公開後に更新されない可能性があります。 予約機能を希望していても、既存の予約サービスを使ったほうが費用や運用面で適している場合もあります。

RFPでは、要望を書くときに「その理由」も添えるとよいでしょう。

  • 問い合わせを増やしたいため、サービス内容と実績をわかりやすく見せたい
  • 採用応募を増やしたいため、社員紹介と職場写真を充実させたい
  • 地域の人に活動を知ってもらうため、お知らせを自社で更新したい
  • 観光客に情報を届けるため、アクセス情報と多言語対応を検討したい
  • 専門性を伝えるため、コラム記事の運用を始めたい

このように書くと、制作会社は目的に合った別の方法も提案しやすくなります。 依頼者が考えている手段が必ずしも最適とは限らないため、目的を共有しておくことが重要です。

ホームページ制作では、「何を作るか」よりも「なぜ作るか」が先にあります。 RFPでは、機能やデザインの要望だけでなく、その背景にある目的を必ず書くようにしましょう。

16-3. 「全部おまかせ」にしすぎない

ホームページ制作について詳しくない場合、「全部おまかせしたい」と考えることがあります。 専門的な設計やデザイン、システム構成を制作会社に任せること自体は問題ありません。 しかし、RFPに何も書かずに「おまかせ」とだけ伝えると、制作会社は判断材料が少なく、依頼者の期待とずれた提案になる可能性があります。

制作会社が専門家であっても、依頼者の会社や団体のことを最初から深く理解しているわけではありません。 事業内容、強み、ターゲット、地域での立ち位置、採用課題、公開後の運用体制などは、依頼者側から共有する必要があります。

「おまかせ」にする場合でも、最低限、次の情報は伝えておきましょう。

  • ホームページ制作の目的
  • 現在の課題
  • 主なターゲット
  • 優先したい成果
  • 必要なページや機能
  • 予算感
  • 希望公開時期
  • 避けたいデザインや表現
  • 公開後の更新体制

たとえば、「デザインはおまかせしたいが、採用希望者に明るい職場だと感じてもらいたい」「サイト構成は提案してほしいが、問い合わせを増やすことを最優先にしたい」といった書き方であれば、制作会社は専門性を活かして提案しやすくなります。

「全部おまかせ」は、制作会社にとって自由度が高いように見えますが、実際には判断基準がないため、提案が難しくなることもあります。 依頼者側の考えが見えないと、制作会社は無難な提案をするしかなくなる場合があります。

RFPは、細かな仕様をすべて決めるための資料ではありません。 しかし、目的や条件、優先順位は依頼者側が整理して伝える必要があります。 そのうえで、具体的な見せ方や技術的な方法を制作会社に提案してもらうのがよい進め方です。

16-4. 予算・納期を曖昧にしすぎない

RFPでは、予算や納期をできるだけ具体的に書くことが望ましいです。 予算や納期が曖昧なままだと、制作会社はどの範囲まで提案すればよいのか判断しにくくなります。 その結果、提案内容や見積金額に大きな差が出て、比較しにくくなることがあります。

たとえば、同じ「ホームページをリニューアルしたい」という依頼でも、50万円程度で必要最小限の会社案内サイトを作るのか、200万円以上かけて採用、SEO、撮影、ライティング、CMSまで含めたサイトを作るのかでは、提案内容が大きく変わります。

予算を書きにくい場合でも、考え方を伝えることはできます。

  • 初期費用はできるだけ抑えたい
  • 採用ページには予算をかけたい
  • 撮影・ライティング込みで提案してほしい
  • 必要最小限の案と充実案の両方を見たい
  • 公開後の保守費用も含めて検討したい
  • 補助金の範囲内で制作したい

納期についても、「急ぎで」「なるべく早く」といった表現だけでは不十分です。 可能であれば、希望公開日や、その理由を書いておきましょう。 「採用活動が始まる前に公開したい」「イベント告知に間に合わせたい」「年度内に公開したい」など、背景がわかると制作会社は現実的なスケジュールを提案しやすくなります。

ただし、希望納期が短い場合は、制作範囲の調整が必要になることがあります。 すべてのページや機能を一度に作るのではなく、主要ページだけ先に公開し、その他のコンテンツを後から追加する段階公開も検討できます。

予算や納期を曖昧にしすぎると、制作会社との認識違いが起こりやすくなります。 RFPでは、確定していない場合でも「現時点での希望」や「検討中の条件」を書いておくことが大切です。

16-5. 提案の自由度を残す

RFPは、依頼内容を整理するための資料ですが、制作会社の提案の自由度を残すことも大切です。 依頼者側でページ構成、デザイン、機能、システム仕様を細かく決めすぎると、制作会社が専門的な視点から改善案を出しにくくなることがあります。

たとえば、「トップページにはこの順番でこの要素を必ず入れる」「このCMSを必ず使う」「このボタンをこの位置に置く」と細かく指定しすぎると、制作会社はその条件に合わせるだけになってしまいます。 しかし、目的によっては別の構成のほうが使いやすい場合や、別のシステムのほうが運用しやすい場合もあります。

RFPでは、必ず守ってほしい条件と、提案してほしい部分を分けて書くとよいでしょう。

  • 必須条件:スマートフォン対応、問い合わせフォーム、採用情報、CMSでのお知らせ更新
  • 希望条件:実績紹介を充実させたい、地域名検索を意識したい、写真を多く使いたい
  • 提案希望:サイト構成、デザイン方針、CMSの種類、SEO方針、公開後の運用方法

このように分けることで、制作会社は守るべき条件を理解しながら、よりよい方法を提案できます。 依頼者側が考えている方法よりも、目的に合った別の方法がある場合もあります。

また、提案の自由度を残すことは、複数社を比較するうえでも役立ちます。 同じ条件に対して、各社がどのような考え方で提案するのかを見ることで、制作会社ごとの強みや姿勢がわかりやすくなります。

山陰でホームページ制作を依頼する場合も、地域性の出し方、採用情報の見せ方、SEOの考え方、公開後の運用体制などは、制作会社によって提案が分かれる部分です。 RFPで目的や条件を共有したうえで、具体的な方法は制作会社に提案してもらう姿勢が大切です。

RFPに書かないほうがよいこととは、情報を隠すことではありません。 むしろ、目的、課題、条件、優先順位はしっかり書くべきです。 その一方で、手段を細かく固定しすぎず、制作会社が専門性を活かして提案できる余地を残すことが、よいRFPにつながります。

17. RFPの簡易テンプレート

ここまで、RFPに書くべき内容を項目ごとに整理してきました。 実際にRFPを作るときは、最初から完璧な資料を作ろうとしなくても構いません。 まずは、会社・団体の情報、制作の目的、ターゲット、必要なページや機能、予算、スケジュールなどを簡単に書き出すことから始めましょう。

RFPは、制作会社に正確な指示を出すためだけの資料ではありません。 自社・自団体の中で、ホームページ制作の目的や優先順位を整理するための資料でもあります。 書き出してみることで、まだ決まっていないこと、社内で確認が必要なこと、制作会社に相談したいことが見えてきます。

以下のテンプレートは、山陰の企業・団体がホームページ制作を依頼するときに使いやすいように、基本的な項目を整理したものです。 すべてを埋める必要はありません。 わかるところから記入し、不明な部分は「相談したい」「提案してほしい」と書いておくとよいでしょう。

17-1. 会社・団体情報

まず、依頼元となる会社・団体の基本情報を記載します。 制作会社が事業内容や組織の特徴を理解するための前提情報になります。

会社・団体情報

  • 会社名・団体名:
  • 所在地:
  • 代表者名:
  • 担当者名:
  • 担当者の連絡先:
  • 事業内容・活動内容:
  • 主な商品・サービス:
  • 対応エリア:
  • 現在のホームページURL:
  • 現在利用しているSNS:
  • 現在利用しているGoogleビジネスプロフィールの有無:

事業内容は、社内で使っている説明だけでなく、初めて見る人にも伝わるように書くことが大切です。 特に、専門的なサービスや地域密着型の事業では、誰に何を提供しているのかを具体的に書くと、制作会社が提案しやすくなります。

山陰で事業を行っている場合は、松江市、出雲市、米子市、鳥取市、島根県西部、山陰全域など、対応エリアも書いておくとよいでしょう。 地域名を含む検索や、地域性を活かした情報設計を検討しやすくなります。

17-2. 制作の目的

次に、ホームページ制作やリニューアルの目的を記載します。 ここはRFPの中でも特に重要な項目です。 目的が明確であれば、制作会社はサイト構成、デザイン、機能、SEO、運用方法を目的に合わせて提案できます。

制作の目的

  • 今回の制作は新規制作か、リニューアルか:
  • 現在のホームページの課題:
  • 今回のホームページ制作で実現したいこと:
  • 最も重視したい目的:
  • 問い合わせを増やしたいか:
  • 採用応募を増やしたいか:
  • 会社・団体の信頼性を高めたいか:
  • 商品・サービスをわかりやすく伝えたいか:
  • 地域への情報発信を強化したいか:
  • 公開後にどのように活用したいか:

目的を書くときは、「デザインを新しくしたい」だけで終わらせないことが大切です。 なぜデザインを新しくしたいのか、誰にどう見られたいのか、どのような成果につなげたいのかまで書くと、提案の質が高まりやすくなります。

たとえば、「問い合わせを増やしたい」「採用応募を増やしたい」「古い印象を改善したい」「地域の人に活動を知ってもらいたい」「県外の人にもサービスを伝えたい」といった目的を整理しておきましょう。

17-3. ターゲット

ホームページを誰に見てほしいのかを整理します。 ターゲットが明確でないと、デザインや文章、ページ構成、導線が曖昧になりやすくなります。

ターゲット

  • 主な閲覧者:
  • 顧客・取引先向けか:
  • 求職者向けか:
  • 保護者・学生向けか:
  • 地域住民向けか:
  • 観光客・県外の人向けか:
  • 年齢層:
  • 閲覧時に使う端末の想定:
  • 主に山陰エリア内の人か、県外・全国向けか:
  • ターゲットが知りたい情報:
  • ターゲットに取ってほしい行動:

ターゲットは一つに絞れない場合もあります。 その場合は、優先順位をつけて整理しましょう。 たとえば、企業サイトであれば、顧客、取引先、求職者、地域住民など複数の閲覧者が考えられます。

重要なのは、それぞれのターゲットが何を知りたいのかを考えることです。 顧客はサービス内容や実績を見たいかもしれません。 求職者は職場の雰囲気や募集要項を見たいかもしれません。 地域住民は営業時間、アクセス、活動内容を確認したいかもしれません。

17-4. 必要なページ・機能

ホームページに必要なページや機能を整理します。 ここでは、必須のものと、できれば対応したいものを分けて書くと、制作会社が優先順位を判断しやすくなります。

必要なページ

  • トップページ:
  • 会社案内・団体概要:
  • サービス紹介:
  • 商品紹介:
  • 実績紹介・事例紹介:
  • 採用情報:
  • お知らせ:
  • ブログ・コラム:
  • よくある質問:
  • お問い合わせ:
  • アクセス:
  • プライバシーポリシー:
  • その他必要なページ:

必要な機能

  • お知らせ更新機能:
  • ブログ・コラム更新機能:
  • 実績紹介の更新機能:
  • お問い合わせフォーム:
  • 採用エントリーフォーム:
  • 資料請求フォーム:
  • 予約機能:
  • 決済機能:
  • 会員機能:
  • 多言語対応:
  • SNS連携:
  • Googleマップ表示:
  • アクセス解析:
  • その他必要な機能:

必要なページや機能は、多ければよいというものではありません。 目的やターゲットに合わせて、本当に必要なものを整理することが大切です。 公開時に必須のものと、公開後に追加できるものを分けておくと、予算やスケジュールに合わせた提案を受けやすくなります。

17-5. デザインの希望

デザインについては、希望する雰囲気、避けたい雰囲気、参考サイト、既存素材の有無を記載します。 抽象的な言葉だけでなく、理由や目的も添えると伝わりやすくなります。

デザインの希望

  • 希望する雰囲気:
  • 避けたい雰囲気:
  • 重視したい印象:
  • 参考にしたいサイトURL:
  • 参考サイトのどこを参考にしたいか:
  • ロゴデータの有無:
  • ブランドカラーの有無:
  • 既存パンフレットや会社案内の有無:
  • 使用できる写真の有無:
  • 新規写真撮影の希望:
  • 山陰らしさ・地域性を出したいか:
  • デザインで特に相談したいこと:

「シンプル」「信頼感」「親しみやすい」といった言葉は、人によって解釈が異なります。 そのため、参考サイトや避けたい例を添えると、制作会社との認識違いを減らしやすくなります。

山陰らしさを出したい場合も、どの程度表現したいのかを整理しておきましょう。 地域密着の安心感を出したいのか、県外に向けて専門性を見せたいのか、観光や地域資源を前面に出したいのかによって、デザインの方向性は変わります。

17-6. 予算・スケジュール

予算とスケジュールは、制作会社が現実的な提案を行うために重要な情報です。 確定していない場合でも、現時点での希望や考え方を書いておくとよいでしょう。

予算

  • 初期制作費の予算:
  • 予算の上限:
  • 予算が未定の場合の考え方:
  • 写真撮影費を含めるか:
  • ライティング費を含めるか:
  • システム開発費を含めるか:
  • 公開後の保守費用を含めるか:
  • Web広告費は別予算か:
  • 補助金・助成金の利用予定:

スケジュール

  • 希望公開日:
  • 公開希望日の理由:
  • 提案書の提出期限:
  • 制作会社の選定予定日:
  • 制作開始希望時期:
  • 社内確認にかかる期間:
  • 繁忙期・長期休暇など注意すべき時期:
  • 段階公開を検討できるか:

予算が未定の場合は、「必要最小限の案と充実案の2案を提案してほしい」「段階的に公開する方法も知りたい」と書いておくと、制作会社から比較しやすい提案を受けやすくなります。

スケジュールについては、制作会社の作業期間だけでなく、依頼者側の確認期間も見込むことが大切です。 役員会や委員会、複数部署での確認が必要な場合は、その分の時間も考えておきましょう。

17-7. 提案してほしい内容

制作会社に何を提案してほしいのかを明確にしておきます。 見積書だけでなく、サイト構成やデザイン方針、CMS、SEO、保守運用まで含めて提案してもらうと、比較しやすくなります。

提案してほしい内容

  • 現状課題に対する提案:
  • サイト構成案:
  • トップページの考え方:
  • デザイン方針:
  • CMS・システム構成:
  • SEO・集客方針:
  • 地域名検索への対応:
  • AI検索時代を意識した情報設計:
  • 原稿・写真準備の進め方:
  • 制作スケジュール:
  • 見積金額と内訳:
  • 公開後の保守・運用サポート:
  • アクセス解析・改善提案:
  • その他、制作会社からの提案:

提案してほしい内容を具体的に書くことで、各社の提案を比較しやすくなります。 また、制作会社にとっても、どの範囲まで提案すればよいのかが明確になります。

ただし、提案の自由度を残すことも大切です。 「この条件は必須」「この部分は提案してほしい」と分けて書くことで、制作会社の専門性を活かした提案を受けやすくなります。

17-8. 問い合わせ先

最後に、RFPに関する問い合わせ先を記載します。 提案依頼中に制作会社から質問が出ることはよくあります。 質問への回答方法や期限を決めておくと、やり取りがスムーズになります。

問い合わせ先

  • 担当者名:
  • 部署名:
  • メールアドレス:
  • 電話番号:
  • 問い合わせ受付期限:
  • 質問への回答方法:
  • 提案書の提出方法:
  • 提案書の提出期限:
  • プレゼンテーションの有無:
  • 選定結果の通知予定日:

複数の制作会社に提案を依頼する場合は、質問への回答を各社に公平に共有する方法も検討しましょう。 たとえば、質問を一定期間受け付け、回答をまとめて全社へ共有する方法があります。

また、提案書の提出形式も指定しておくとよいでしょう。 PDFで提出してほしいのか、メール添付でよいのか、オンラインストレージを使うのか、見積書を別紙にするのかなどを決めておくと、受け取り後の確認がしやすくなります。

RFPのテンプレートは、あくまで出発点です。 すべての項目を無理に埋める必要はありません。 むしろ、不明な点や迷っている点を明確にしておくことで、制作会社に相談しやすくなります。

よいRFPは、依頼者が一方的に仕様を決めるためのものではなく、制作会社と目的や条件を共有するためのものです。 このテンプレートをもとに、自社・自団体の状況に合わせて必要な項目を整理していきましょう。

18. まとめ:よいRFPは、よいホームページ制作の第一歩

ホームページ制作を成功させるためには、制作会社の技術力やデザイン力だけでなく、依頼する側が「何を実現したいのか」を整理しておくことが大切です。 RFPは、そのための出発点になります。 目的、ターゲット、必要なページ、機能、デザインの希望、予算、スケジュール、公開後の運用まで整理しておくことで、制作会社はより具体的で実現性のある提案を行いやすくなります。

RFPを作ることは、単に依頼内容を文書にまとめる作業ではありません。 自社・自団体の課題を見直し、ホームページに期待する役割を明確にし、関係者の認識をそろえる作業でもあります。 その過程で、「本当に必要なページは何か」「誰に見てもらいたいのか」「公開後に誰が更新するのか」といった重要な点が見えてきます。

特に、山陰の企業・団体がホームページ制作を依頼する場合は、地域性、採用、問い合わせ、観光、公共性、運用体制など、地域の実情に合った整理が必要になることがあります。 松江市、出雲市、米子市、鳥取市、島根県西部、山陰全域など、どの地域に向けて情報を届けたいのかによって、サイト構成や文章、SEO、デザインの考え方も変わります。

よいRFPがあれば、制作会社は依頼者の目的や背景を理解しやすくなります。 その結果、見積金額だけではなく、サイト構成、デザイン方針、CMS、SEO、運用改善、保守サポートまで含めた、比較しやすい提案を受けられるようになります。

18-1. RFPは制作会社を縛るものではなく、方向性を共有するもの

RFPというと、細かな仕様をすべて決めて、制作会社にその通りに作ってもらうための資料だと思われることがあります。 しかし、ホームページ制作におけるRFPは、制作会社を縛るためだけのものではありません。 むしろ、目的や条件を共有し、よりよい提案を引き出すための資料です。

依頼者側が、デザイン、ページ構成、機能、システム仕様をすべて細かく決めすぎると、制作会社の専門的な視点が活かされにくくなることがあります。 一方で、何も整理せずに「おまかせ」とだけ伝えると、制作会社は判断材料が少なく、期待とずれた提案になる可能性があります。

大切なのは、必ず守ってほしい条件と、提案してほしい部分を分けて考えることです。 たとえば、目的、ターゲット、予算、公開時期、必須機能、運用体制などは依頼者側で整理しておく必要があります。 そのうえで、サイト構成、デザイン方針、CMSの選定、SEO施策、公開後の改善方法などは、制作会社から提案を受けることができます。

RFPには、次のような情報を整理しておくとよいでしょう。

  • 今回のホームページ制作で実現したい目的
  • 現在の課題や困っていること
  • 主なターゲット
  • 必要なページや機能
  • 希望するデザインの方向性
  • 予算やスケジュール
  • 公開後の更新・保守体制
  • 制作会社に提案してほしい内容

これらを整理することで、制作会社は「何を優先すべきか」を判断しやすくなります。 そして、依頼者側も、提案を比較するときに「自社の目的に合っているか」という基準で判断しやすくなります。

RFPは、制作会社に自由を与えないための資料ではなく、制作会社が専門性を発揮しやすくするための資料です。 方向性を共有しながら、よりよい提案を受けるために活用しましょう。

18-2. 山陰の企業・団体こそ目的整理が大切

山陰の企業・団体がホームページを作る場合、目的整理は特に重要です。 地域密着で顧客に安心感を伝えたいのか、県外に向けて専門性を発信したいのか、採用を強化したいのか、観光や地域資源を発信したいのかによって、必要なホームページは大きく変わります。

たとえば、地域密着型の企業であれば、対応エリア、実績、スタッフの顔、アクセス、地元での活動などが信頼につながります。 採用を重視する企業であれば、仕事内容、職場の雰囲気、社員紹介、働き方、Uターン・Iターン希望者への情報などが重要になります。 観光や地域団体のサイトであれば、地域外の人にも伝わる説明や、写真、アクセス、多言語対応などを検討する必要があります。

また、山陰の中小企業や団体では、社内にWeb専任担当者がいないこともあります。 その場合、公開後に誰が更新するのか、制作会社にどこまで保守を依頼するのか、CMSの操作説明が必要かなどを、制作前に整理しておくことが大切です。

目的が曖昧なまま制作を進めると、見た目は整っていても、問い合わせにつながらない、採用に活用できない、更新されない、必要な情報が見つかりにくいホームページになることがあります。 反対に、目的が明確であれば、限られた予算やスケジュールの中でも、優先すべきページや機能を判断しやすくなります。

RFPを作る過程では、次のような問いを社内で確認してみるとよいでしょう。

  • このホームページで一番達成したいことは何か
  • 誰に見てもらうことを優先するのか
  • 閲覧者にどのような行動を取ってほしいのか
  • 現在のホームページで困っていることは何か
  • 地域性をどの程度出したいのか
  • 公開後に誰が更新するのか
  • どこまでを制作会社に相談したいのか

山陰の企業・団体にとって、ホームページは単なる会社案内ではなく、地域内外に情報を届けるための重要な基盤です。 目的を整理したRFPを作ることで、自社・自団体に合ったホームページ制作を進めやすくなります。

18-3. 迷ったら制作会社に相談しながら作ってよい

RFPは、最初から完璧に作る必要はありません。 むしろ、すべてを依頼者側だけで決めようとすると、必要以上に難しく感じてしまうことがあります。 わからない部分や判断に迷う部分があれば、制作会社に相談しながら整理しても問題ありません。

たとえば、次のような項目は、専門的な判断が必要になることがあります。

  • SEOを意識したページ構成
  • CMSの選定
  • 予約・決済・会員機能の実現方法
  • Webアクセシビリティへの対応範囲
  • 写真撮影やライティングの進め方
  • サーバー移転やドメイン管理
  • アクセス解析や広告連携
  • 公開後の保守内容

これらは、依頼者側で答えを決めてから相談する必要はありません。 RFPには「提案してほしい」「相談したい」「現状がわからないため確認してほしい」と書いておけば十分です。 不明な点をそのままにせず、相談事項として明記することが大切です。

制作会社に相談しながらRFPを整えることで、ホームページ制作の目的や優先順位がより明確になることもあります。 制作会社からの質問によって、自社では気づいていなかった課題が見つかることもあります。 たとえば、ターゲットが複数いること、採用情報が不足していること、フォームの項目が多すぎること、既存サイトの情報が古くなっていることなどです。

RFPを作るときは、「完成した仕様書」を目指すよりも、「制作会社とよい話し合いを始めるための資料」と考えるとよいでしょう。 目的、課題、希望、条件、不明点が整理されていれば、制作会社はそれをもとに具体的な提案を行うことができます。

ホームページ制作は、依頼者と制作会社が協力して進めるプロジェクトです。 依頼者は事業や組織のことを知っており、制作会社はWeb制作や運用の専門知識を持っています。 それぞれの情報を持ち寄ることで、より実用的で成果につながるホームページを作りやすくなります。

よいRFPは、よいホームページ制作の第一歩です。 まずは自社・自団体の目的を整理し、必要な情報を書き出し、迷うところは制作会社に相談しながら進めていきましょう。 その積み重ねが、公開後も活用しやすく、地域や顧客、求職者に伝わるホームページにつながります。

19. 付録:RFP作成時に確認しておきたいチェックリスト

RFPを作成するときは、文章としてきれいにまとめること以上に、必要な情報が抜けていないかを確認することが大切です。 ここでは、ホームページ制作を依頼する前に確認しておきたい項目をチェックリストとして整理します。

すべての項目を最初から埋める必要はありません。 わからない項目がある場合は、「未定」「相談したい」「制作会社に提案してほしい」と書いておけば大丈夫です。 大切なのは、不明点をそのままにせず、制作会社と共有できる状態にしておくことです。

19-1. 基本情報のチェック

  • 会社名・団体名は正確に記載しているか
  • 所在地・電話番号・代表者名などの基本情報は最新か
  • 現在のホームページURLを記載しているか
  • 現在のホームページの課題を整理しているか
  • 事業内容・サービス内容を初めて見る人にもわかるように書いているか
  • 対応エリアを明確にしているか
  • 山陰・島根・鳥取など、重視したい地域名を整理しているか

19-2. 目的・ターゲットのチェック

  • ホームページ制作の目的を明確にしているか
  • 問い合わせ、採用、信頼性向上、情報発信など、優先順位をつけているか
  • 主なターゲットを整理しているか
  • 顧客、求職者、取引先、地域住民など、閲覧者ごとに必要な情報を考えているか
  • ターゲットに取ってほしい行動を明確にしているか
  • 現在の課題と制作目的がつながっているか

19-3. ページ・コンテンツのチェック

  • 必要なページ一覧を作成しているか
  • トップページに載せたい情報を整理しているか
  • 会社案内・サービス紹介・実績紹介の内容を確認しているか
  • 採用情報が必要かどうかを検討しているか
  • お知らせ・ブログ・コラムを運用するか決めているか
  • よくある質問を掲載するか検討しているか
  • 既存サイトから流用するページと見直すページを分けているか
  • 公開時に必要なページと、公開後に追加するページを分けているか

19-4. デザイン・素材のチェック

  • 希望するデザインの雰囲気を整理しているか
  • 避けたいデザインの雰囲気を整理しているか
  • 参考サイトを用意しているか
  • 参考サイトのどこを参考にしたいか説明できるか
  • ロゴデータの有無を確認しているか
  • ブランドカラーや既存パンフレットの有無を確認しているか
  • 使用できる写真素材があるか確認しているか
  • 新規の写真撮影が必要か検討しているか
  • 山陰らしさや地域性をどの程度出したいか整理しているか

19-5. 機能・システムのチェック

  • お知らせ更新機能が必要か
  • ブログ・コラム機能が必要か
  • お問い合わせフォームの項目を整理しているか
  • 採用エントリーフォームが必要か
  • 予約・決済・会員機能が必要か
  • CMSでどこまで更新したいか整理しているか
  • 外部サービスとの連携が必要か
  • Googleマップ、SNS、YouTube、予約システムなどの利用予定を確認しているか
  • 管理画面を使う担当者や人数を確認しているか

19-6. SEO・集客・広告のチェック

  • 検索で見つけてもらいたいキーワードを整理しているか
  • 地域名を含む検索への対応を検討しているか
  • Googleビジネスプロフィールの運用状況を確認しているか
  • Web広告を実施する予定があるか
  • SNSとの連携方針を整理しているか
  • アクセス解析を導入するか
  • 問い合わせや応募などの成果を計測したいか
  • AI検索時代を意識した情報整理やFAQの掲載を検討しているか

19-7. サーバー・ドメイン・保守のチェック

  • 現在のサーバー会社を確認しているか
  • ドメインの管理会社を確認しているか
  • ドメインの管理権限や更新期限を確認しているか
  • メールアドレスの利用状況を確認しているか
  • サーバー移転が必要かどうか検討しているか
  • SSL対応の状況を確認しているか
  • 公開後の更新担当者を決めているか
  • 保守契約が必要か検討しているか
  • バックアップやセキュリティ対応をどうするか確認しているか

19-8. 予算・スケジュールのチェック

  • 希望公開日を決めているか
  • 希望公開日の理由を説明できるか
  • 提案書の提出期限を決めているか
  • 制作会社の選定予定日を決めているか
  • 社内確認にかかる時間を見込んでいるか
  • 初期制作費の予算感を整理しているか
  • 保守費用や広告費を別予算として考えているか
  • 予算未定の場合、提案してほしい範囲を整理しているか
  • 段階公開を検討できるか

19-9. 提案依頼時のチェック

  • 見積書だけでなく提案書も依頼しているか
  • サイト構成案を提案してもらうよう依頼しているか
  • デザイン方針の説明を依頼しているか
  • CMS・システム構成の提案を依頼しているか
  • SEO・運用改善の提案を依頼しているか
  • 保守費用と公開後サポートの提案を依頼しているか
  • 見積の内訳を明確にしてもらうよう依頼しているか
  • オプション費用を分けて記載してもらうよう依頼しているか
  • 質問受付や提案書提出の方法を明記しているか

19-10. 最後に確認したいこと

RFPを提出する前に、もう一度「このホームページで一番実現したいことは何か」を確認しましょう。 目的が明確であれば、ページ構成、デザイン、機能、SEO、保守運用の判断もしやすくなります。

また、RFPは一度作って終わりではありません。 制作会社からの質問や提案を受ける中で、内容を補足したり、優先順位を見直したりしても構いません。 不明な点や迷っている点は、無理に決めきらず、相談事項として書いておくことも大切です。

山陰でホームページ制作を依頼する場合、地域性、採用、問い合わせ、運用体制など、依頼者ごとに重視すべきポイントは異なります。 このチェックリストを使いながら、自社・自団体に必要な項目を整理し、制作会社と目的を共有できるRFPを作成していきましょう。

ヒニアラタ編集部 監修: 馬庭 吾以千

ヒニアラタ編集部では地方の中小企業様のWeb活用をお手伝いするため、私たちが持っている専門知識を「コラム」という形で分かりやすく公開しています。 私たち自身が地方の企業であるからこそ分かること、感じることがあると思っています。

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