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Column コラム

山陰企業のためのRFPの作り方②!デザインの希望からサーバー・ドメインまで 〜Web活用の専門会社が全部公開!〜

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7. デザインの希望を伝える

RFPでは、ホームページのデザインに関する希望も整理しておきます。 デザインは、単に見た目をきれいにするためのものではありません。 会社や団体の印象を伝え、閲覧者に安心感や期待感を持ってもらい、必要な情報へスムーズに案内するための重要な要素です。

ただし、デザインの希望は言葉だけでは伝わりにくいことがあります。 「シンプル」「やさしい」「信頼感がある」「高級感がある」「親しみやすい」といった表現は、人によって受け取り方が異なります。 そのため、RFPでは、希望する雰囲気だけでなく、参考サイト、避けたい表現、既存素材の有無、地域性の出し方などもあわせて書くとよいでしょう。

山陰の企業・団体がホームページを作る場合、地域に根ざした安心感を出したいのか、県外に向けて専門性や先進性を見せたいのかによって、デザインの方向性は変わります。 地域性を強く出す場合も、単に風景写真を使えばよいというものではありません。 自社の目的やターゲットに合った形で、デザインの希望を整理することが大切です。

7-1. 好きな雰囲気・避けたい雰囲気

まずは、希望するデザインの雰囲気を言葉で整理します。 たとえば、次のような表現が考えられます。

  • 信頼感のあるデザインにしたい
  • 親しみやすい雰囲気にしたい
  • 落ち着いた印象にしたい
  • 明るく前向きな印象にしたい
  • 専門性が伝わるデザインにしたい
  • 採用向けに若い世代にも伝わりやすくしたい
  • 高級感や上質感を出したい
  • 地域に根ざしたあたたかさを出したい

ただし、こうした言葉だけでは解釈に幅があります。 たとえば「シンプル」といっても、余白を活かした洗練されたデザインを想像する人もいれば、情報量を少なくした簡素なデザインを想像する人もいます。 「親しみやすい」も、イラストを使った柔らかい印象なのか、スタッフ写真を使った人柄が伝わる印象なのかで方向性が異なります。

そこで、好きな雰囲気とあわせて、避けたい雰囲気も書いておくと効果的です。

  • 派手すぎる印象にはしたくない
  • 安っぽく見えるデザインは避けたい
  • 堅すぎて近寄りにくい印象にはしたくない
  • 文字が小さく読みにくいデザインは避けたい
  • 写真ばかりで内容が伝わりにくいサイトにはしたくない
  • 流行に寄りすぎて数年後に古く見えるデザインは避けたい

好きな雰囲気だけでなく、避けたい雰囲気を伝えることで、制作会社はデザインの方向性をより正確に理解できます。 特に、社内で複数人が確認する場合は、事前に「何を好むか」「何を避けたいか」を整理しておくことで、デザイン確認時の意見のばらつきを減らしやすくなります。

RFPには、デザインの希望を一言で書くだけでなく、「なぜその雰囲気にしたいのか」も書くとよいでしょう。 たとえば、「採用希望者に明るい職場だと感じてもらいたい」「法人顧客に安心して相談してもらいたい」「地域の人に親しみを持ってもらいたい」といった目的があると、制作会社は見た目だけでなく、情報設計や写真の使い方まで含めて提案しやすくなります。

7-2. 参考サイトの伝え方

デザインの希望を伝えるときは、参考サイトを用意すると効果的です。 言葉だけでは伝わりにくい雰囲気も、実際のサイトを見せることで制作会社と共有しやすくなります。

参考サイトは、同業他社のサイトでも、異業種のサイトでも構いません。 重要なのは、「そのサイトのどこを参考にしたいのか」を具体的に伝えることです。 URLだけを並べるのではなく、良いと思った理由を添えておきましょう。

たとえば、次のように書くと伝わりやすくなります。

  • トップページの第一印象がわかりやすい
  • 写真の使い方が自然で、会社の雰囲気が伝わる
  • サービス紹介の整理の仕方が見やすい
  • 採用ページの社員紹介が親しみやすい
  • 色づかいが落ち着いていて信頼感がある
  • スマートフォンで見たときの導線がわかりやすい
  • 余白があり、読みやすい

反対に、「このサイトのようにはしたくない」という例を出すことも有効です。 ただし、その場合も単に否定するのではなく、「文字が小さく読みにくい」「情報が多すぎて探しにくい」「写真が強すぎて内容が伝わりにくい」など、理由を具体的に書くとよいでしょう。

参考サイトを伝えるときに注意したいのは、他社サイトをそのまま真似ることはできないという点です。 デザイン、文章、写真、構成をそのままコピーすることは避けるべきです。 あくまで、雰囲気や情報整理の考え方を共有するための材料として使います。

また、参考サイトが自社の目的やターゲットに合っているとは限りません。 見た目が好みでも、問い合わせ獲得には向いていない場合や、採用向けには情報が足りない場合もあります。 そのため、RFPでは「参考にしたい点」と「自社で実現したい目的」を分けて書くことが大切です。

山陰でホームページ制作を依頼する場合は、地域内の競合サイトだけでなく、県外や全国の優れたサイトも参考にするとよいでしょう。 地域性を大切にしながらも、情報の見せ方、写真の使い方、導線設計などは、広い視点で参考にできます。

7-3. ロゴ・写真・パンフレットなど既存素材の有無

デザインを考えるうえで、既存素材の有無は重要です。 ロゴ、写真、パンフレット、会社案内、チラシ、動画、イラスト、ブランドガイドラインなどがある場合は、RFPに記載しておきましょう。

既存素材として確認しておきたいものには、次のようなものがあります。

  • ロゴデータ
  • 会社案内パンフレット
  • 商品・サービスのパンフレット
  • 名刺や封筒などの印刷物
  • 写真素材
  • 動画素材
  • イラスト素材
  • キャラクターやマスコット
  • ブランドカラーや指定フォント
  • 過去に作成した広告・チラシ

ロゴやブランドカラーがある場合は、それをホームページのデザインに反映することが基本になります。 ただし、ロゴデータが画像しかない場合や、印刷物用のデータしかない場合は、Webで使える形式に調整が必要になることもあります。 可能であれば、AI、EPS、SVG、PDF、PNGなど、どの形式のデータがあるかも確認しておきましょう。

写真素材も重要です。 会社の外観、スタッフ、仕事風景、商品、施工実績、施設、地域の風景など、使用できる写真があるかどうかで、デザインの作り方は変わります。 写真が不足している場合は、撮影を依頼するのか、素材写真を使うのか、イラストで表現するのかを検討する必要があります。

特に採用を重視するホームページでは、実際に働いている人や職場の写真が重要です。 素材写真だけでは、会社の雰囲気や人柄が伝わりにくいことがあります。 RFPには、写真撮影の希望や、撮影できる対象、撮影に協力できるスタッフの有無なども書いておくとよいでしょう。

既存のパンフレットや会社案内は、ホームページの原稿や構成を考えるうえで役立ちます。 ただし、印刷物の内容をそのままWebに載せればよいとは限りません。 Webでは、スマートフォンでの読みやすさ、検索されやすさ、ページごとの導線などを考慮して再構成する必要があります。

RFPでは、既存素材が「あるか・ないか」だけでなく、「使いたい素材」「見直したい素材」「新しく作成したい素材」も分けて書くとよいでしょう。

7-4. 山陰らしさ・地域性を出す場合の注意点

山陰でホームページ制作を行う場合、「地域らしさを出したい」という希望が出ることがあります。 地域密着型の企業や団体、観光関連、行政・公共団体、地域ブランドを扱う事業などでは、山陰らしさや地域性をどう表現するかが重要になります。

ただし、地域性を出すときは、単に山、海、夕日、神社、温泉、田園風景などの写真を使えばよいというものではありません。 それらが事業内容やターゲットと結びついていなければ、印象的ではあっても、目的に合ったデザインにはなりにくい場合があります。

地域性を出す場合は、次のような視点で考えるとよいでしょう。

  • 地域の顧客に安心感を持ってもらいたいのか
  • 県外の人に山陰の魅力を伝えたいのか
  • 地域での実績や信頼を見せたいのか
  • 地域資源を活かした商品・サービスを伝えたいのか
  • 採用で地元企業としての魅力を伝えたいのか
  • 観光や移住など、地域外の人に向けた情報発信なのか

たとえば、地元企業としての安心感を出したい場合は、地域の風景よりも、実際の店舗・事務所・スタッフ・施工実績などを見せたほうが効果的なことがあります。 観光客に向けたサイトであれば、風景写真やアクセス情報、季節ごとの魅力が重要になります。 採用向けであれば、山陰で働き、暮らすイメージを伝えることが大切です。

また、地域性を強く出しすぎると、県外や全国向けの専門サービスとして見せたい場合には、かえって範囲が狭く見えることもあります。 「山陰にある会社であること」を強みにするのか、「山陰から全国に対応できる専門性」を見せたいのかを整理しておく必要があります。

RFPには、地域性をどの程度出したいかを書いておくとよいでしょう。 たとえば、「地域密着の安心感を出したい」「山陰らしさは控えめにし、専門性を前面に出したい」「観光客向けに地域の魅力をしっかり伝えたい」「採用向けに地元で働く魅力を伝えたい」といった形です。

山陰らしさは、写真だけでなく、言葉、実績、地域名、活動紹介、スタッフの姿、アクセス情報などからも伝えることができます。 目的に合った形で地域性を表現することが、ホームページ全体の説得力につながります。

7-5. 「おまかせ」と書くときに最低限伝えるべきこと

デザインについて詳しくわからないため、「おまかせしたい」と考える企業・団体も少なくありません。 もちろん、デザインの専門的な部分は制作会社に任せることができます。 しかし、RFPに何も書かずに「おまかせ」とだけ伝えると、制作会社は判断材料が少なく、依頼者の期待とずれた提案になる可能性があります。

「おまかせ」と書く場合でも、最低限、次のような情報は伝えておくとよいでしょう。

  • ホームページ制作の目的
  • 主なターゲット
  • 大切にしたい会社・団体の印象
  • 避けたい印象
  • 参考にしたいサイト
  • 既存のロゴやブランドカラーの有無
  • 写真撮影の希望
  • 地域性を出したいかどうか

たとえば、「デザインはおまかせしたいが、採用希望者に明るく働きやすい会社だと感じてもらいたい」「専門性と信頼感を重視したい」「地域密着のあたたかさは出したいが、古い印象にはしたくない」といった書き方をすると、制作会社は方向性を考えやすくなります。

また、「おまかせ」とは、何も確認しないという意味ではありません。 制作会社に提案してもらったデザインに対して、目的に合っているか、ターゲットに伝わりそうか、自社の印象と合っているかを確認する必要があります。

社内でデザインを確認する場合は、好みだけで判断しないことも大切です。 「自分は好きではない」「もっと派手にしたい」といった感覚だけではなく、RFPに書いた目的やターゲットに合っているかを基準に確認すると、判断がしやすくなります。

デザインの希望は、制作会社に細かい指示を出すためだけのものではありません。 自社・自団体がどのように見られたいのか、誰にどのような印象を持ってもらいたいのかを共有するためのものです。

RFPにデザインの考え方を書いておくことで、制作会社は見た目の美しさだけでなく、目的やターゲットに合ったデザインを提案しやすくなります。 「おまかせ」にする場合でも、目的、ターゲット、避けたい印象だけは必ず整理しておきましょう。

8. 必要な機能・システムを書く

RFPでは、ホームページに必要な機能やシステムについても整理しておく必要があります。 ホームページ制作というと、デザインやページ構成に目が向きがちですが、実際には「公開後にどのように使うか」「誰が更新するか」「どのような問い合わせを受けるか」といった運用面によって、必要な機能は大きく変わります。

たとえば、お知らせを社内で更新したい場合はCMSが必要になります。 採用応募を受け付けたい場合は、応募フォームや通知先の設定が必要です。 予約や決済、会員専用ページなどを作りたい場合は、通常のホームページ制作よりもシステム開発に近い検討が必要になります。

RFPに必要な機能を具体的に書いておくことで、制作会社は見積範囲や開発方法を判断しやすくなります。 反対に、機能要件が曖昧なままだと、見積後や制作途中に追加費用が発生したり、想定していた使い方ができなかったりする可能性があります。

ただし、専門的な仕様をすべて依頼者側で決める必要はありません。 大切なのは、「何をしたいのか」「誰が使うのか」「どのくらいの頻度で使うのか」を伝えることです。 具体的な実装方法やシステム構成は、制作会社から提案を受ける形でも問題ありません。

8-1. お知らせ更新機能

多くのホームページで必要になるのが、お知らせ更新機能です。 休業日、イベント、サービス情報、採用情報、重要なお知らせなどを社内で更新できるようにする機能です。

お知らせ更新機能を希望する場合は、RFPに次のような内容を書いておくとよいでしょう。

  • お知らせを社内で更新したいか
  • 更新する担当者は何人いるか
  • 更新頻度はどのくらいか
  • カテゴリー分けが必要か
  • 画像やPDFを添付したいか
  • トップページに新着情報を表示したいか
  • 過去のお知らせを一覧で見せたいか

たとえば、企業サイトであれば「お知らせ」「採用情報」「セミナー情報」などにカテゴリーを分けたい場合があります。 医療機関や公共施設であれば、「休診情報」「重要なお知らせ」「イベント」など、利用者が必要な情報を見つけやすい分類が必要になることもあります。

また、お知らせの更新頻度も重要です。 月に数回更新する場合と、年に数回しか更新しない場合では、管理画面に求める使いやすさや運用方法が変わります。 頻繁に更新する場合は、担当者が迷わず投稿できるように、入力項目やカテゴリ設計をシンプルにしておくことが大切です。

山陰の企業・団体では、臨時休業、イベント案内、地域活動、採用説明会、補助金・制度に関する案内など、お知らせが重要な役割を持つ場合があります。 公開後に誰が更新するのかまで含めて、RFPに書いておくと制作会社が運用しやすい仕組みを提案しやすくなります。

8-2. ブログ・コラム機能

ブログやコラム機能は、継続的な情報発信を行いたい場合に有効です。 お知らせが「会社からの連絡」を中心にした情報であるのに対し、ブログやコラムは、専門知識、ノウハウ、事例紹介、地域情報、採用向けの読み物などを発信するために使えます。

RFPでは、ブログやコラムをどのような目的で使いたいのかを整理しておきましょう。

  • SEO対策として専門記事を増やしたい
  • お客様からよくある質問に答えたい
  • 施工事例や導入事例を紹介したい
  • 採用向けに社内の雰囲気を伝えたい
  • 地域イベントや活動を紹介したい
  • 専門家としての考え方を発信したい

ブログやコラムは、更新を続けることで効果が出やすいコンテンツです。 そのため、RFPには、誰が記事を書くのか、どのくらいの頻度で更新する予定なのか、制作会社にライティング支援を依頼したいのかも書いておくとよいでしょう。

また、記事をカテゴリーやタグで整理したい場合もあります。 たとえば、Web制作会社であれば「SEO」「広告運用」「ホームページ改善」「採用サイト」などに分けることができます。 工務店であれば「施工事例」「家づくりの知識」「補助金」「地域情報」などの分類が考えられます。

ブログやコラムをSEOやAI検索時代の情報発信に活用したい場合は、単なる日記ではなく、検索する人の疑問に答える記事を蓄積していくことが重要です。 RFPには、「専門記事の構成や運用方針も提案してほしい」と書いておくと、制作会社からコンテンツ設計を含めた提案を受けやすくなります。

8-3. お問い合わせフォーム

お問い合わせフォームは、ホームページから相談や見積依頼を受け付けるための基本的な機能です。 問い合わせ獲得を目的とするホームページでは、フォームの設計が成果に直結します。

RFPには、お問い合わせフォームについて次のような内容を書いておきます。

  • フォームの目的
  • 必要な入力項目
  • 必須項目と任意項目
  • 送信先メールアドレス
  • 自動返信メールの有無
  • 管理画面で問い合わせ履歴を保存したいか
  • ファイル添付が必要か
  • 迷惑メール対策の希望

入力項目は、必要最小限にすることが基本です。 名前、メールアドレス、電話番号、問い合わせ内容などは一般的ですが、住所、会社規模、予算、希望時期などを必須にすると、問い合わせのハードルが上がることがあります。 どの情報が本当に必要なのかを整理しましょう。

一方で、法人向けの見積依頼や専門サービスの場合は、事前にある程度の情報を入力してもらったほうが、対応しやすいこともあります。 たとえば、相談内容、希望納期、対象エリア、現在の課題などを選択式で入力できるようにすると、問い合わせ後のやり取りがスムーズになります。

また、迷惑メール対策も重要です。 フォームを設置すると、スパム送信や営業メールが増えることがあります。 RFPには、reCAPTCHAなどの迷惑メール対策を希望するか、確認画面を設けるか、自動返信メールを送るかなども書いておくとよいでしょう。

山陰の企業では、電話での相談も重要な場合があります。 お問い合わせフォームだけでなく、スマートフォンで電話しやすいボタンや、受付時間の表示もあわせて検討すると、地域の利用者にとって使いやすいサイトになります。

8-4. 採用エントリーフォーム

採用を目的としたホームページでは、採用エントリーフォームの有無も重要です。 求職者が興味を持ったときに、すぐ応募できる導線を用意しておくことで、応募機会を逃しにくくなります。

採用エントリーフォームを作る場合は、RFPに次のような内容を書いておきます。

  • 新卒採用・中途採用・パート採用などの区分
  • 応募職種の選択項目
  • 必要な入力項目
  • 履歴書・職務経歴書の添付が必要か
  • 応募後の自動返信メール
  • 通知先のメールアドレス
  • 個人情報の取り扱いに関する表示
  • 応募前相談や見学申込にも対応したいか

採用フォームでは、応募者に過度な負担をかけないことが大切です。 最初から入力項目が多すぎると、応募前に離脱してしまう可能性があります。 一方で、採用担当者にとって必要な情報が不足していると、その後の対応に手間がかかります。 応募者の使いやすさと、採用担当者の確認しやすさのバランスを考える必要があります。

また、近年は「いきなり応募」だけでなく、職場見学、カジュアル面談、採用に関する問い合わせなど、応募前の接点を用意することもあります。 山陰での採用では、地元の学生やUターン・Iターン希望者に対して、まずは話を聞いてもらう導線が有効な場合もあります。

RFPには、採用エントリーだけでなく、「見学申込フォームが必要」「採用に関する問い合わせフォームを分けたい」「求人媒体から来た人を受け止めるページがほしい」など、採用活動全体の流れも書いておくとよいでしょう。

8-5. 予約・決済・会員機能

予約、決済、会員機能は、通常の会社案内サイトよりも高度なシステム要件になります。 これらの機能が必要な場合は、RFPの段階でできるだけ具体的に書いておくことが重要です。

予約機能には、さまざまな種類があります。 たとえば、来店予約、相談予約、施設予約、イベント申込、セミナー予約、宿泊予約などです。 予約枠の管理、定員、キャンセル、リマインドメール、管理者への通知など、必要な機能は用途によって変わります。

決済機能を設ける場合は、クレジットカード決済、銀行振込、コンビニ決済、請求書払いなど、どの方法に対応するのかを検討する必要があります。 既存の決済サービスを利用するのか、ECサイトのような仕組みを作るのかによって、制作費や運用方法も変わります。

会員機能には、ログイン、マイページ、会員限定コンテンツ、申込履歴、資料ダウンロード、会員情報の変更などがあります。 会員情報を扱う場合は、個人情報保護やセキュリティへの配慮も必要です。

RFPには、次のような内容を整理しておくとよいでしょう。

  • 予約機能が必要か
  • 予約対象は何か
  • 予約枠や定員管理が必要か
  • キャンセルや変更に対応するか
  • オンライン決済が必要か
  • 対応したい決済方法
  • 会員登録が必要か
  • ログイン後に何ができる必要があるか
  • 外部サービスを利用してよいか

予約や決済は、ゼロから開発する方法もあれば、既存の外部サービスを利用する方法もあります。 たとえば、予約システム、ECカート、決済サービス、会員管理サービスなどを連携すれば、開発費を抑えられる場合があります。 一方で、外部サービスでは細かいカスタマイズが難しいこともあります。

RFPでは、「自社専用に細かく作り込みたい」のか、「外部サービスを使って費用を抑えたい」のか、考え方を書いておくと制作会社が提案しやすくなります。

8-6. CMSの有無と更新しやすさ

CMSとは、専門知識がなくてもホームページの一部を更新できる仕組みのことです。 WordPressなどの一般的なCMSのほか、独自CMSや、既存システムに組み込まれた管理画面などもあります。

RFPでは、CMSが必要かどうか、どの範囲を社内で更新したいのかを書いておきます。

  • お知らせを更新したい
  • ブログ・コラムを投稿したい
  • 実績紹介を追加したい
  • 採用情報を更新したい
  • スタッフ紹介を更新したい
  • イベント情報を更新したい
  • 固定ページの文章も自社で編集したい

CMSを導入する場合、更新できる範囲を広げるほど便利になる一方で、管理画面が複雑になったり、誤操作のリスクが増えたりすることがあります。 そのため、実際に社内で更新する可能性が高い部分と、制作会社に依頼したほうがよい部分を分けて考えることが大切です。

たとえば、お知らせや採用情報は社内で更新し、トップページのレイアウト変更やデザインに関わる部分は制作会社に依頼する、という分け方ができます。 実績紹介やブログを頻繁に追加する場合は、入力しやすい専用の投稿画面を作ると運用しやすくなります。

また、更新担当者の人数やスキルも重要です。 パソコン操作に慣れていない人が更新する場合は、できるだけシンプルな管理画面にする必要があります。 複数人で更新する場合は、権限管理や承認フローが必要になることもあります。

RFPには、「社内でどこまで更新したいか」「更新担当者は何人か」「更新頻度はどのくらいか」「マニュアルや操作説明が必要か」を書いておくとよいでしょう。 公開後の運用を考えたCMS設計は、ホームページを長く活用するために重要です。

8-7. 外部サービスとの連携

ホームページでは、外部サービスとの連携が必要になることもあります。 すでに使っているサービスがある場合や、今後活用したいサービスがある場合は、RFPに記載しておきましょう。

外部サービスの例としては、次のようなものがあります。

  • Googleアナリティクスなどのアクセス解析
  • Googleタグマネージャー
  • Googleビジネスプロフィール
  • SNSの埋め込み
  • YouTube動画の埋め込み
  • 予約システム
  • 決済サービス
  • メール配信サービス
  • MAツール・CRM
  • 求人媒体
  • チャットツール
  • 地図サービス

外部サービスと連携する場合は、単に「連携したい」と書くだけでなく、何のために連携したいのかを書くことが大切です。 たとえば、Instagramの投稿を表示したいのか、YouTube動画を掲載したいのか、予約システムへ誘導したいのか、フォーム送信後にCRMへ登録したいのかによって、必要な作業は異なります。

また、外部サービスには、アカウント権限、API連携、月額費用、仕様変更などの注意点があります。 すでに利用しているサービスがある場合は、管理者アカウントの有無や、契約状況も確認しておくとよいでしょう。

SNS連携についても、どのように使いたいかを整理しておく必要があります。 ホームページにInstagramの投稿を自動表示したいのか、SNSへのリンクを設置するだけでよいのか、SNS広告やWeb広告と連携した導線を作りたいのかで、設計は変わります。

山陰の企業・団体では、Googleビジネスプロフィール、地図、SNS、予約サービス、求人媒体などとの連携が重要になることがあります。 店舗や施設、観光、採用、イベント運営などでは、ホームページ単体ではなく、外部サービスとの組み合わせで利用者に情報を届けることが多いためです。

RFPに必要な機能・システムを書く目的は、制作会社に細かい仕様を押し付けることではありません。 自社・自団体がホームページをどのように使いたいのか、公開後にどのような運用をしたいのかを共有することです。 その情報が整理されていれば、制作会社は予算や目的に合った現実的なシステム構成を提案しやすくなります。

9. SEO・集客・広告について書く

RFPでは、SEOや集客、Web広告に関する希望も整理しておくことが大切です。 ホームページは、作って公開すれば自動的に見てもらえるものではありません。 検索エンジン、Googleビジネスプロフィール、SNS、Web広告、既存の営業活動など、さまざまな接点からユーザーに見つけてもらう必要があります。

特に、問い合わせや採用応募、予約、資料請求などを目的とするホームページでは、公開後にどのように集客するかを考えておくことが重要です。 RFPの段階でSEOや広告について触れておくことで、制作会社はサイト構成、ページ設計、キーワード設計、アクセス解析、広告導線まで含めた提案をしやすくなります。

山陰の企業・団体の場合、地域名を含む検索への対応が重要になることがあります。 たとえば、「松江市 ホームページ制作」「出雲市 工務店」「米子市 採用」「島根 観光」「鳥取 歯科」など、地域名とサービス名を組み合わせて検索するユーザーに見つけてもらうための設計が必要です。

また、近年は検索エンジンだけでなく、AIによる回答、SNS、地図検索、口コミ、広告など、ユーザーが情報にたどり着く経路が多様化しています。 RFPには、単に「SEOをしたい」と書くだけでなく、どのような人に、どのような経路で見つけてもらいたいのかを整理しておくとよいでしょう。

9-1. 検索で見つけてもらいたいキーワード

SEOを考えるうえで、まず整理したいのが「どのようなキーワードで見つけてもらいたいか」です。 検索キーワードは、ユーザーが抱えている課題や目的を表すものです。 自社が使っている専門用語だけでなく、ユーザーが実際に検索しそうな言葉を考える必要があります。

RFPには、検索で見つけてもらいたいキーワードの候補を書いておくとよいでしょう。 たとえば、次のような考え方があります。

  • サービス名で見つけてもらいたい
  • 商品名で見つけてもらいたい
  • 地域名と業種名の組み合わせで見つけてもらいたい
  • 課題や悩みに関する検索で見つけてもらいたい
  • 採用に関する検索で見つけてもらいたい
  • 会社名やブランド名で正しく見つけてもらいたい

たとえば、工務店であれば「出雲市 注文住宅」「松江市 リフォーム」「島根 省エネ住宅」などが考えられます。 採用を重視する企業であれば、「島根 Web制作 採用」「松江市 事務 求人」「山陰 Uターン 就職」など、求職者が検索しそうな言葉を考えることができます。

ただし、キーワードを単に多く並べればよいわけではありません。 重要なのは、自社の事業内容や強み、ターゲット、提供エリアと合っているかどうかです。 検索数が多いキーワードでも、自社のサービスとずれていれば、問い合わせや応募にはつながりにくくなります。

また、ユーザーは必ずしも業界用語で検索するとは限りません。 専門的なサービスほど、ユーザーは「何と検索すればよいかわからない」状態にあることがあります。 その場合は、サービス名だけでなく、悩みや目的に合わせたページやコラムを用意することも有効です。

RFPには、現時点で思いつくキーワード候補に加えて、「キーワード調査も含めて提案してほしい」と書いておくとよいでしょう。 制作会社は、検索需要や競合状況を踏まえて、現実的なSEO方針を提案しやすくなります。

9-2. 地域名を含む検索への対応

山陰でホームページ制作を依頼する場合、地域名を含む検索への対応は重要なポイントです。 地域の顧客にサービスを提供している企業・団体では、ユーザーが「地域名+サービス名」で検索することが多いためです。

たとえば、次のような検索が考えられます。

  • 松江市 ホームページ制作
  • 出雲市 リフォーム
  • 島根 採用サイト制作
  • 米子市 歯科
  • 鳥取 工務店
  • 山陰 Webマーケティング
  • 島根 観光 モデルコース

地域名を含む検索に対応するためには、単にページ内に地名を入れるだけでは不十分です。 対応エリア、所在地、地域での実績、事例、アクセス情報、地域に関する説明などを、自然でわかりやすい形で掲載する必要があります。

たとえば、「島根県対応」とだけ書くよりも、「松江市・出雲市を中心に、島根県東部の企業を支援しています」と書いたほうが、閲覧者にとって具体的です。 「山陰全域に対応」と書く場合も、鳥取県・島根県のどのエリアまで対応できるのかを補足すると、相談しやすくなります。

また、地域ごとのニーズが違う場合は、エリア別のページを作る方法もあります。 たとえば、「松江市向け」「出雲市向け」「鳥取県西部向け」など、地域ごとに課題や事例、対応内容を整理したページを作ることで、ユーザーにとってわかりやすい情報になります。

ただし、地域名だけを変えた内容の薄いページを大量に作ることは避けるべきです。 それぞれの地域に対して、実績、対応内容、利用者の課題、アクセス、地域事情など、意味のある情報を掲載することが大切です。

RFPには、重視したい地域名や対応エリアを具体的に書いておきましょう。 「松江市からの問い合わせを増やしたい」「出雲市周辺の採用応募を増やしたい」「山陰全域で認知を高めたい」「県外からの相談も受けたい」など、地域に関する目的を書くことで、制作会社はSEOやページ構成を提案しやすくなります。

9-3. Googleビジネスプロフィールとの連携

店舗、医院、施設、事務所、観光関連、地域密着型サービスなどでは、Googleビジネスプロフィールとの連携も重要です。 Google検索やGoogleマップで会社・店舗・施設を見つけた人が、ホームページへアクセスすることも多いためです。

Googleビジネスプロフィールには、会社名、所在地、電話番号、営業時間、写真、口コミ、サービス内容、投稿などを掲載できます。 ホームページと情報が一致していない場合、ユーザーが混乱することがあります。 そのため、RFPではGoogleビジネスプロフィールを運用しているかどうかも書いておくとよいでしょう。

確認しておきたい項目には、次のようなものがあります。

  • Googleビジネスプロフィールを登録しているか
  • 管理権限を持っているか
  • 住所・電話番号・営業時間が正しいか
  • 写真を定期的に追加しているか
  • 口コミへの対応をしているか
  • 複数拠点があるか
  • ホームページと情報が一致しているか

特に、店舗や施設の場合、ユーザーはホームページを見る前にGoogleマップで場所や口コミを確認することがあります。 そのため、ホームページだけを整えても、Googleビジネスプロフィールの情報が古いままだと、集客の機会を逃すことがあります。

また、ホームページ側にも、所在地、アクセス、駐車場、営業時間、電話番号、対応エリアなどをわかりやすく掲載することが重要です。 スマートフォンで見たときに、電話をかける、地図を開く、予約する、といった行動が取りやすい導線も必要になります。

山陰では、車で移動する利用者が多い業種もあります。 その場合、住所だけでなく、駐車場の有無、主要道路からのアクセス、目印になる施設などを掲載すると親切です。 観光や飲食、医療、福祉、店舗型サービスでは、こうした情報が利用者の安心につながります。

RFPには、Googleビジネスプロフィールとの連携について、「情報の整合性を確認したい」「マップからの流入も意識したい」「店舗情報をわかりやすく掲載したい」などと書いておくとよいでしょう。

9-4. Web広告・SNSとの連携

ホームページを公開した後、Web広告やSNSを使って集客する場合は、RFPの段階でその予定を書いておくことが大切です。 広告やSNSからアクセスするユーザーを想定しておくと、ページ構成や導線、計測方法を最初から設計しやすくなります。

Web広告には、検索広告、ディスプレイ広告、SNS広告、動画広告などがあります。 たとえば、問い合わせを増やしたい場合は検索広告、採用向けにはSNS広告や求人媒体との連携、認知拡大には動画広告やディスプレイ広告が選択肢になることがあります。

RFPには、広告について次のような内容を書いておくとよいでしょう。

  • Web広告を実施する予定があるか
  • どの広告媒体を使いたいか
  • 広告から誘導する専用ページが必要か
  • 問い合わせや応募を計測したいか
  • 広告運用も制作会社に相談したいか
  • 広告予算を別途確保しているか

広告を使う場合、ホームページ全体とは別に、ランディングページを用意したほうがよい場合もあります。 たとえば、特定のサービスへの問い合わせを増やしたい場合や、採用説明会への申込を増やしたい場合は、広告から直接目的のページへ誘導する設計が有効です。

SNSとの連携も、目的によって考え方が変わります。 Instagramの投稿をホームページに表示したいのか、YouTube動画を埋め込みたいのか、LINE公式アカウントへ誘導したいのか、SNS広告からホームページへ誘導したいのかによって、必要な対応は異なります。

山陰の企業・団体では、地域イベント、採用活動、観光情報、店舗情報などでSNSを活用することも多くあります。 SNSで興味を持った人がホームページで詳しい情報を確認する、あるいはホームページからSNSへ移動して日々の雰囲気を見る、といった流れを設計しておくことが大切です。

RFPには、現在使っているSNSや広告媒体、今後使いたい媒体、連携したい内容を書いておきましょう。 ホームページと広告・SNSを別々に考えるのではなく、ユーザーがどの経路から来て、どのような行動を取るのかを一体で考えることが重要です。

9-5. アクセス解析・効果測定

ホームページは公開して終わりではありません。 公開後にどのくらい見られているのか、どのページが読まれているのか、問い合わせや応募につながっているのかを確認し、改善していくことが大切です。 そのため、RFPにはアクセス解析や効果測定についても書いておくとよいでしょう。

一般的には、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソール、Googleタグマネージャーなどを使って、アクセス状況や検索流入、フォーム送信などを確認します。 すでに利用している場合は、現在の設定状況や管理権限の有無も確認しておきます。

RFPに書いておきたい項目には、次のようなものがあります。

  • 現在アクセス解析を導入しているか
  • Googleアナリティクスの管理権限があるか
  • Googleサーチコンソールを使っているか
  • 問い合わせフォームの送信数を計測したいか
  • 電話タップや資料ダウンロードを計測したいか
  • 広告の効果測定を行いたいか
  • 公開後のレポートや改善提案を希望するか

効果測定を行うためには、何を成果と見るのかを決めておく必要があります。 問い合わせ数、採用応募数、資料請求数、予約数、電話タップ数、特定ページの閲覧数など、目的に応じて見るべき指標は変わります。

たとえば、問い合わせを目的とするサイトであれば、アクセス数だけでなく、問い合わせフォームの送信数や、サービスページからフォームへの移動数が重要になります。 採用サイトであれば、採用ページの閲覧数、募集要項の閲覧数、応募フォームへの遷移数などが参考になります。

ただし、数値を見るだけでは改善にはつながりません。 どのページで離脱しているのか、どの検索キーワードから来ているのか、スマートフォンで見にくい箇所はないかなどを確認し、改善を続けることが大切です。

RFPには、「公開後も効果を見ながら改善したい」「月次レポートがほしい」「広告とあわせて計測したい」「問い合わせにつながる導線を分析したい」など、公開後の改善に関する希望も書いておくとよいでしょう。

9-6. AI検索時代に意識したい情報設計

近年は、検索エンジンだけでなく、AIによる回答や要約を通じて情報が見られる機会も増えています。 ユーザーが「山陰でおすすめのホームページ制作会社はどこか」「島根で採用サイトを作るにはどうすればよいか」といった質問をしたとき、AIがWeb上の情報を参考に回答することがあります。

そのため、ホームページでは、会社名、所在地、対応エリア、サービス内容、実績、専門性、対象顧客、料金の考え方、よくある質問などを、わかりやすく整理して掲載することが重要になります。 曖昧な表現だけでなく、具体的な情報をページ内に明記することで、人にも検索エンジンにもAIにも内容が伝わりやすくなります。

RFPには、AI検索時代を意識した情報設計として、次のような希望を書いておくことができます。

  • 自社の専門性が伝わるページを作りたい
  • 地域名とサービス内容を明確に掲載したい
  • よくある質問を充実させたい
  • 比較検討される情報を整理したい
  • 実績や事例をわかりやすく掲載したい
  • 構造化データに対応したい
  • 会社情報やサービス情報を正確に整理したい

AI検索を意識する場合でも、基本はユーザーにとって役立つ情報を掲載することです。 「どの地域で対応しているのか」「どのような課題を解決できるのか」「他社と何が違うのか」「どのような実績があるのか」「相談すると何をしてくれるのか」といった情報を、具体的に伝える必要があります。

また、よくある質問やコラム記事も有効です。 ユーザーが検索やAIへの質問で使いそうな疑問に対して、わかりやすく答えるコンテンツを用意することで、サイト全体の情報価値が高まります。 たとえば、「ホームページ制作の費用はどのくらいか」「RFPには何を書けばよいか」「採用サイトには何が必要か」といった記事は、見込み客の検討段階で役立ちます。

ただし、AI検索を意識するあまり、不自然にキーワードを詰め込む必要はありません。 重要なのは、会社やサービスの実態を正確に、具体的に、整理して掲載することです。 ユーザーが読んで納得できる情報であることが、結果的に検索やAIにも伝わりやすい情報になります。

RFPにSEO・集客・広告について書くことは、制作会社に「公開後にどう成果を出したいのか」を伝えるために重要です。 ホームページを作る段階から、検索、地域性、SNS、広告、アクセス解析、AI検索時代の情報設計まで考えておくことで、公開後に活用しやすいサイトになります。

10. 写真・文章・原稿の準備について

RFPでは、ホームページに掲載する写真や文章、原稿を誰が準備するのかも明確にしておく必要があります。 ホームページ制作では、デザインやシステムに注目しがちですが、実際に閲覧者へ情報を伝える中心になるのは、写真と文章です。 どれだけ見た目が整っていても、掲載する内容が古かったり、写真が不足していたり、文章が曖昧だったりすると、ホームページの効果は十分に発揮されません。

特にリニューアルの場合、既存サイトの文章をそのまま使えると思っていても、実際には現在の事業内容と合わなくなっていることがあります。 会社概要、サービス内容、スタッフ情報、実績、料金、対応エリア、採用情報などが古いままになっているケースも少なくありません。 RFPを作る段階で、どの情報を流用できるのか、どの情報を新しく作る必要があるのかを整理しておくことが大切です。

また、写真についても同様です。 会社の外観、スタッフ、仕事風景、商品、施工事例、施設、地域の風景など、ホームページに使える写真があるかどうかで、デザインやページ構成は大きく変わります。 写真が不足している場合は、撮影を行うのか、素材写真を使うのか、イラストや図解で表現するのかを検討する必要があります。

山陰の企業・団体の場合、地域性や人柄、現場の雰囲気がホームページの信頼感につながることがあります。 そのため、写真や文章をどのように準備するかは、単なる制作作業ではなく、会社や団体の魅力をどう伝えるかに関わる重要な項目です。

10-1. 原稿は誰が用意するのか

ホームページ制作でよく問題になるのが、原稿を誰が用意するのかという点です。 RFPでは、原稿を依頼者側で準備するのか、制作会社にライティングを依頼するのかを明確にしておく必要があります。

原稿を依頼者側で準備する場合は、事業内容や専門的な情報を正確に伝えやすいというメリットがあります。 会社の歴史、サービスの詳細、実績、社内の考え方などは、社内の人でなければわからない情報も多いためです。 一方で、Web向けに読みやすく整理したり、SEOを意識した見出しや文章に整えたりするには、別の視点が必要になることもあります。

制作会社に原稿作成を依頼する場合は、取材やヒアリングを通じて情報を整理し、閲覧者に伝わりやすい文章にまとめてもらえる可能性があります。 特に、専門的な内容を一般の人にもわかりやすく伝えたい場合や、採用ページ、サービス紹介、事例紹介などを充実させたい場合は、ライティングを依頼する価値があります。

RFPには、原稿について次のような内容を書いておくとよいでしょう。

  • 原稿は自社で用意するのか
  • 制作会社にライティングを依頼したいのか
  • 既存サイトの文章を流用したいのか
  • パンフレットや会社案内の文章を活用したいのか
  • 取材やヒアリングを希望するのか
  • 専門的な内容をわかりやすく整理してほしいのか
  • SEOを意識した文章にしたいのか

原稿を自社で用意する場合でも、すべてを完成形で準備する必要はありません。 箇条書きやメモ、パンフレット、過去の提案資料、社内資料などをもとに、制作会社が整理する方法もあります。 ただし、その場合はどこまで制作会社に依頼するのかを見積範囲に含めておく必要があります。

原稿準備が遅れると、制作全体のスケジュールにも影響します。 デザインやページ制作が進んでいても、原稿が揃わなければ確認や公開ができません。 RFPの段階で、誰が、いつまでに、どの原稿を用意するのかを考えておくことが大切です。

10-2. 写真撮影は必要か

ホームページの印象を大きく左右するのが写真です。 写真は、会社や団体の雰囲気、スタッフの人柄、商品やサービスの特徴、施設の様子、地域との関わりを直感的に伝えることができます。

RFPでは、写真撮影が必要かどうかを整理しておきましょう。 すでに十分な写真素材がある場合は、それを活用できます。 しかし、古い写真しかない、画質が低い、現在の事業内容と合っていない、採用向けに使える写真がないという場合は、新たに撮影を検討したほうがよいでしょう。

撮影が必要になりやすい写真には、次のようなものがあります。

  • 会社・店舗・施設の外観
  • 社内・施設内の様子
  • スタッフ・社員の写真
  • 仕事風景
  • 商品・サービスの利用シーン
  • 施工事例・導入事例
  • 代表者・役員の写真
  • 採用ページ用の職場風景
  • 地域や活動の様子

特に採用を重視するホームページでは、実際に働いている人や職場の雰囲気が伝わる写真が重要です。 素材写真だけでは、会社のリアルな雰囲気や人柄は伝わりにくくなります。 求職者は、文章だけでなく写真からも「自分がここで働くイメージ」を判断します。

また、医療・福祉・教育・観光・店舗型サービスなどでは、施設や空間の写真が安心感につながります。 初めて利用する人にとって、入口、受付、待合室、教室、客室、駐車場などの写真があると、訪問前の不安を減らすことができます。

山陰の企業・団体では、地域の風景や活動写真を活用することで、地域に根ざした印象を伝えられる場合もあります。 ただし、地域風景だけに頼るのではなく、自社・自団体の実際の姿が伝わる写真を用意することが大切です。

RFPには、写真撮影の希望、撮影したい対象、撮影場所、撮影可能な時期、社員や利用者の顔出し可否などを書いておくとよいでしょう。 撮影が必要かどうかは、制作費やスケジュールにも関わるため、早い段階で共有しておくことが重要です。

10-3. 代表挨拶・スタッフ紹介・実績紹介の書き方

代表挨拶、スタッフ紹介、実績紹介は、会社や団体の信頼感を高めるために有効なコンテンツです。 ただし、形式的に掲載するだけでは、閲覧者に十分な印象を残せないことがあります。 RFPでは、これらのコンテンツをどの程度充実させたいかも整理しておくとよいでしょう。

代表挨拶では、単に「今後ともよろしくお願いします」といった定型文だけでなく、会社の考え方や、事業に対する姿勢、地域との関わり、今後目指している方向性を伝えることが大切です。 代表者の言葉は、会社の信頼性や人柄を伝える重要な要素になります。

スタッフ紹介では、名前や役職だけでなく、担当している仕事、得意分野、仕事への思い、資格、趣味、地域との関わりなどを紹介することで、親しみや安心感が生まれます。 特に、相談型のサービス、医療・福祉、教育、採用を重視する企業では、人が見える情報が重要になります。

実績紹介では、単に写真や名称を並べるだけでなく、背景や成果を伝えると効果的です。 どのような課題があり、どのような提案や対応を行い、どのような結果につながったのかを整理すると、閲覧者が自分の場合に置き換えて考えやすくなります。

実績紹介に含めたい情報には、次のようなものがあります。

  • 依頼内容・相談内容
  • 課題や背景
  • 提案した内容
  • 実施した内容
  • 成果・変化
  • お客様の声
  • 写真・図表
  • 対応エリア・業種

ただし、実績やお客様の声を掲載する場合は、掲載許可が必要になることがあります。 顧客名、写真、数値、具体的な成果などを公開できるかどうかは、事前に確認しておきましょう。 公開が難しい場合は、匿名事例として「島根県内の製造業」「松江市の医療機関」「山陰エリアの小売業」などの形で紹介する方法もあります。

RFPには、代表挨拶、スタッフ紹介、実績紹介について、掲載したいかどうか、取材が必要か、写真撮影が必要か、掲載許可を取れるかどうかを書いておくとよいでしょう。 これらのコンテンツは、会社や団体の個性を伝えるために重要です。

10-4. 既存サイトから流用できるもの

リニューアルの場合、既存サイトの内容をどこまで流用するかを整理しておく必要があります。 すべてを新しく作り直すのか、使える情報は活用するのかによって、制作範囲や費用、スケジュールが変わります。

既存サイトから流用できる可能性があるものには、次のようなものがあります。

  • 会社概要
  • 沿革
  • 事業内容
  • サービス紹介文
  • 商品情報
  • 実績紹介
  • お知らせ記事
  • ブログ記事
  • 写真素材
  • PDF資料
  • プライバシーポリシー

ただし、既存サイトの情報をそのまま使う前に、内容が現在の状況と合っているか確認する必要があります。 会社概要の住所や電話番号、役員名、営業時間、サービス内容、料金、対応エリア、スタッフ情報などが古くなっている場合があります。

また、昔のホームページでは、文章が短すぎたり、逆に情報が整理されていなかったりすることもあります。 検索やAIへの対応を意識する場合も、古い文章をそのまま移すだけではなく、見出しや説明文を整理し直すことが重要です。

既存のブログ記事やお知らせを移行する場合は、移行対象を決める必要があります。 すべての記事を移すのか、重要な記事だけを移すのか、古い記事は整理するのかによって、作業量が変わります。 画像やPDF、カテゴリ、URLの引き継ぎについても確認が必要です。

RFPには、既存サイトから流用したい内容、見直したい内容、削除したい内容を分けて書くとよいでしょう。 たとえば、「会社概要は流用可能」「サービス紹介は全面的に見直したい」「過去のお知らせは直近3年分だけ移行したい」「ブログ記事は重要なものだけ残したい」といった形です。

既存サイトの流用方針を明確にしておくことで、制作会社は移行作業の範囲やリニューアル後のサイト構成を考えやすくなります。

10-5. 制作会社にライティングを依頼する場合

ホームページの文章を制作会社に依頼する場合は、RFPにその希望を明確に書いておきます。 ライティングを依頼するかどうかによって、見積内容や制作スケジュールが大きく変わるためです。

制作会社にライティングを依頼するメリットは、閲覧者に伝わりやすい形で情報を整理できることです。 事業内容や強みをヒアリングし、ページ構成に合わせて文章を作ることで、読みやすく、目的に合ったホームページになりやすくなります。

ライティングを依頼したほうがよいケースには、次のようなものがあります。

  • 社内で原稿を書く時間がない
  • 専門的な内容をわかりやすく伝えたい
  • 採用ページを充実させたい
  • サービス紹介を整理し直したい
  • 実績紹介や事例記事を作りたい
  • SEOを意識した文章にしたい
  • 会社の強みを客観的に整理してほしい

ライティングを依頼する場合は、取材やヒアリングの有無も確認します。 メールや資料だけで原稿を作るのか、代表者や担当者に取材するのか、社員インタビューを行うのかによって、文章の深さや制作費が変わります。

採用ページでは、社員インタビューや一日の仕事の流れ、職場の雰囲気を伝える文章が重要になることがあります。 サービス紹介では、社内で使っている専門用語を、閲覧者に伝わる言葉へ置き換える必要があります。 実績紹介では、課題、対応内容、成果を整理することで、検討中のユーザーに伝わりやすくなります。

山陰の企業・団体の場合、地域での実績や人とのつながり、現場の丁寧な対応など、文章にしないと伝わりにくい強みがあることも多いです。 そうした強みを引き出すためには、制作会社によるヒアリングやライティングが有効な場合があります。

RFPには、「ライティングを依頼したいページ」「取材を希望する対象」「SEOを意識したい記事」「採用インタビューの有無」などを具体的に書いておくとよいでしょう。 写真や文章の準備は、ホームページの完成度を大きく左右します。 早い段階で準備方法を決めておくことで、制作をスムーズに進めやすくなります。

11. Webアクセシビリティ・スマホ対応・セキュリティ

RFPでは、Webアクセシビリティ、スマートフォン対応、セキュリティについても必ず整理しておきます。 これらは、ホームページの見た目や機能とは別の話に見えますが、実際にはサイトの品質や信頼性に深く関わる重要な項目です。

ホームページは、さまざまな人が、さまざまな環境で閲覧します。 スマートフォンで見る人、パソコンでじっくり比較する人、高齢の方、障害のある方、通信環境が不安定な場所で見る人など、利用状況は一つではありません。 そのため、誰にとっても使いやすく、安心して利用できるホームページを目指す必要があります。

また、お問い合わせフォームや採用応募フォームなどで個人情報を扱う場合は、セキュリティ面の配慮も欠かせません。 SSL対応、フォームの迷惑メール対策、個人情報保護方針、管理画面の安全性、更新システムの保守などを考えておくことが大切です。

山陰の企業・団体でも、スマートフォンからの閲覧は一般的です。 また、行政、学校、医療、福祉、公共性の高い団体では、Webアクセシビリティへの配慮が特に重要になります。 RFPの段階で品質要件を明確にしておくことで、制作会社からより具体的な対応方針を提案してもらいやすくなります。

11-1. スマートフォン対応は必須

現在のホームページ制作では、スマートフォン対応はほぼ必須です。 ユーザーは、会社情報、店舗情報、採用情報、アクセス、問い合わせ先などをスマートフォンで確認することが多くなっています。 パソコンでは見やすいサイトでも、スマートフォンで文字が小さい、ボタンが押しにくい、メニューがわかりにくい状態では、閲覧者に不便を与えてしまいます。

RFPには、スマートフォン対応を前提として制作してほしいことを明記しておきましょう。 一般的には、画面幅に応じてレイアウトが変わるレスポンシブWebデザインで制作することが多くなります。 スマートフォン、タブレット、パソコンなど、複数の画面サイズで見やすく使える設計が必要です。

スマートフォン対応で確認したい項目には、次のようなものがあります。

  • 文字が読みやすい大きさになっているか
  • ボタンやリンクが押しやすいか
  • メニューがわかりやすいか
  • 問い合わせや電話への導線が見つけやすいか
  • 画像や表が画面内で見やすいか
  • フォーム入力がしやすいか
  • ページの表示速度に問題がないか
  • 不要な横スクロールが発生しないか

特に、地域の店舗や施設、医療機関、観光関連サイトでは、スマートフォンでの使いやすさが重要です。 外出先で営業時間や地図を確認する、電話をかける、予約する、駐車場を調べるといった行動が発生しやすいためです。

採用サイトでも、スマートフォン対応は重要です。 求職者が求人媒体やSNSからスマートフォンでアクセスし、会社情報や募集要項を確認することは珍しくありません。 そのため、採用情報、社員紹介、応募フォームなどがスマートフォンで見やすく、使いやすいことが求められます。

RFPには、「スマートフォンでの見やすさを重視したい」「電話・問い合わせ・応募への導線をスマートフォンで使いやすくしたい」「スマートフォンで表や写真も見やすくしたい」など、特に重視したい点を書いておくとよいでしょう。

11-2. Webアクセシビリティへの配慮

Webアクセシビリティとは、年齢や障害の有無、利用環境にかかわらず、できるだけ多くの人がホームページの情報を利用できるようにする考え方です。 視覚に障害のある人、色の違いがわかりにくい人、キーボードで操作する人、高齢の人、スマートフォンで閲覧する人など、さまざまな利用者を想定して設計することが重要です。

Webアクセシビリティは、特別な人だけのための対応ではありません。 文字が読みやすい、ボタンが押しやすい、見出しが整理されている、フォームがわかりやすい、画像に代替テキストがあるといった配慮は、多くのユーザーにとって使いやすさにつながります。

RFPでは、Webアクセシビリティについてどの程度対応したいのかを記載します。 特に、官公庁、自治体、学校、医療機関、福祉施設、公共性の高い団体では、アクセシビリティへの配慮を明確にしておくことが重要です。

Webアクセシビリティで確認したい項目には、次のようなものがあります。

  • 見出し構造が適切に整理されているか
  • 画像に適切な代替テキストを設定するか
  • 文字色と背景色のコントラストに配慮するか
  • キーボードだけでも操作しやすいか
  • リンクやボタンの意味がわかりやすいか
  • フォームの入力項目やエラー表示がわかりやすいか
  • PDFなどの掲載資料にも配慮が必要か
  • 動画に字幕や説明が必要か

すべてを完璧に対応しようとすると、制作範囲や費用、運用体制にも影響します。 そのため、RFPでは「どのレベルまで対応したいのか」「検査やチェックを実施してほしいのか」「公開後の更新時にも配慮したいのか」を明確にしておくことが大切です。

たとえば、「JIS X 8341-3への配慮を希望する」「主要ページについてアクセシビリティチェックを行いたい」「画像の代替テキスト設定ルールを作りたい」「公開後に社内で更新する際の注意点も教えてほしい」といった形で書くことができます。

山陰の自治体、公共施設、学校、医療・福祉関連団体などでは、高齢者や地域住民が日常的に利用する情報を掲載することも多くあります。 そうしたサイトでは、見た目の美しさだけでなく、誰にとっても情報を探しやすく、読みやすい構成を重視しましょう。

11-3. SSL・フォームのセキュリティ

ホームページで個人情報を扱う場合は、SSL対応やフォームのセキュリティ対策が必要です。 SSLとは、ホームページと閲覧者の通信を暗号化する仕組みです。 現在では、お問い合わせフォームの有無にかかわらず、ホームページ全体をHTTPS化することが一般的です。

RFPには、SSL対応を前提とすることを記載しておきましょう。 既存サイトをリニューアルする場合は、現在SSL化されているか、証明書の管理は誰が行っているか、サーバー移転が必要かどうかも確認しておくとよいでしょう。

フォームのセキュリティについては、次のような項目を整理しておきます。

  • SSL対応を行うか
  • お問い合わせフォームで個人情報を扱うか
  • 採用応募フォームで履歴書などを受け付けるか
  • フォームの送信内容を管理画面に保存するか
  • 迷惑メール対策を行うか
  • 自動返信メールを送るか
  • 送信先メールアドレスを複数設定するか
  • ファイル添付を許可するか

特に、ファイル添付を許可する場合は注意が必要です。 採用応募で履歴書や職務経歴書を受け付ける場合、ファイル形式や容量制限、ウイルス対策、保存方法、閲覧権限などを検討する必要があります。

また、フォームには迷惑メールが届くことがあります。 営業メール、自動送信スパム、不正な入力などを減らすために、reCAPTCHAなどの対策や、入力内容のチェック、確認画面の設置などを検討します。

RFPには、「フォームの迷惑メール対策を希望する」「採用応募ではファイル添付が必要」「問い合わせ内容を管理画面に保存しない」「個人情報を扱うため安全性を重視したい」など、セキュリティ上の希望を書いておくとよいでしょう。

11-4. 個人情報保護・プライバシーポリシー

お問い合わせフォーム、採用応募フォーム、予約フォーム、資料請求フォームなどで個人情報を取得する場合は、個人情報保護への配慮が必要です。 氏名、メールアドレス、電話番号、住所、勤務先、応募書類などは、適切に取り扱わなければなりません。

RFPでは、プライバシーポリシーの有無や、個人情報の取り扱いに関する方針を確認しておきます。 既存サイトにプライバシーポリシーがある場合は、それを流用するのか、内容を見直すのかを決めておきましょう。

確認しておきたい項目には、次のようなものがあります。

  • プライバシーポリシーが既にあるか
  • 現在の内容を見直す必要があるか
  • 問い合わせフォームで同意チェックを設けるか
  • 採用応募時の個人情報取り扱いを明記するか
  • アクセス解析や広告タグの利用を記載するか
  • Cookieの利用について記載するか
  • 外部サービスを利用する場合の記載が必要か

プライバシーポリシーは、他社のものをそのままコピーするものではありません。 自社・自団体がどのような個人情報を取得し、何のために利用し、どのように管理するのかに合わせて作成する必要があります。 必要に応じて、専門家に確認することも検討しましょう。

また、アクセス解析や広告配信、SNS埋め込み、外部予約システムなどを利用する場合は、Cookieや外部サービスに関する記載が必要になることがあります。 RFPには、利用予定の外部サービスがあれば書いておくと、制作会社がプライバシーポリシーや同意表示の必要性を確認しやすくなります。

個人情報を扱うページでは、利用者が不安なく送信できることが大切です。 フォームの近くにプライバシーポリシーへのリンクを設置する、同意チェックを設ける、送信後の流れを説明するなど、安心して利用できる設計を検討しましょう。

11-5. 官公庁・学校・公共性の高いサイトで注意すること

官公庁、自治体、学校、医療機関、福祉施設、公共施設、地域団体などのホームページでは、一般的な企業サイト以上に、情報の正確性、探しやすさ、アクセシビリティ、セキュリティが重要になります。 多くの人が日常的に利用する情報を掲載するため、特定の人だけが使いやすいサイトではなく、幅広い利用者に配慮した設計が必要です。

公共性の高いサイトで注意したい項目には、次のようなものがあります。

  • 必要な情報にすぐたどり着ける構成になっているか
  • 高齢者や障害のある人にも読みやすいか
  • スマートフォンでも情報を探しやすいか
  • 緊急情報や重要なお知らせを目立たせられるか
  • 複数部署・複数担当者で更新できるか
  • 公開前の承認フローが必要か
  • PDF資料の掲載ルールがあるか
  • 個人情報や機密情報の取り扱いに問題がないか

行政や公共団体のサイトでは、利用者が「知りたい情報」を目的別に探せることが重要です。 組織側の部署分類だけでなく、利用者の行動や目的に合わせた導線を用意すると、情報を見つけやすくなります。

学校サイトでは、在校生、保護者、入学希望者、卒業生、地域住民など、複数の閲覧者がいます。 それぞれに必要な情報を整理し、重要なお知らせや緊急連絡が見つけやすい構成にすることが求められます。

医療・福祉関連サイトでは、利用者や家族が安心して情報を確認できることが大切です。 診療内容、利用方法、受付時間、アクセス、駐車場、問い合わせ先、よくある質問などをわかりやすく掲載する必要があります。

また、公共性の高いサイトでは、公開後の運用体制も重要です。 担当者が異動する、複数部署が更新する、承認が必要になるなど、民間企業とは違った運用上の課題が発生しやすいためです。 RFPには、更新担当者、承認フロー、更新頻度、マニュアルの必要性なども書いておくとよいでしょう。

Webアクセシビリティ、スマートフォン対応、セキュリティは、ホームページ制作の品質を支える基本要素です。 RFPでこれらの要件を整理しておくことで、制作会社は見た目だけでなく、使いやすさ、安全性、運用しやすさまで含めた提案を行いやすくなります。

12. サーバー・ドメイン・保守運用について

RFPでは、サーバー、ドメイン、メール、公開後の保守運用についても整理しておく必要があります。 ホームページ制作というと、デザインやページ構成、掲載内容に意識が向きやすいですが、実際にサイトを安定して公開し続けるためには、運用環境の確認が欠かせません。

サーバーやドメインの情報が曖昧なままだと、公開直前になって必要な情報が見つからない、メールに影響が出る、SSL証明書の設定ができない、旧サイトから新サイトへの切り替えに時間がかかる、といった問題が起こることがあります。

また、ホームページは公開して終わりではありません。 お知らせの更新、CMSの保守、セキュリティ対策、バックアップ、フォームの確認、アクセス解析、軽微な修正など、公開後にも継続的な運用が必要です。 RFPの段階で、公開後の管理を誰が行うのかを確認しておくことで、長く安心して使えるホームページにしやすくなります。

山陰の企業・団体の場合、社内にWeb専任担当者がいないことも珍しくありません。 そのため、サーバーや保守運用をどこまで自社で管理するのか、どこから制作会社に依頼するのかを、事前に整理しておくことが大切です。

12-1. 現在のサーバー・ドメイン情報

既存のホームページがある場合は、現在利用しているサーバーとドメインの情報を確認しておきます。 リニューアル時には、既存のサーバーをそのまま使うのか、新しいサーバーへ移転するのか、ドメイン管理を変更するのかを判断する必要があります。

RFPには、わかる範囲で次のような情報を書いておくとよいでしょう。

  • 現在のホームページURL
  • ドメイン名
  • ドメインの管理会社
  • サーバー会社
  • 契約プラン
  • 管理画面のログイン情報の有無
  • SSL証明書の設定状況
  • 現在のCMSやシステムの種類
  • サーバー移転を希望するかどうか

すべての情報がわからなくても構いません。 ただし、「誰が管理しているかわからない」「以前の制作会社しかログイン情報を持っていない」「ドメインの契約者が不明」といった状態は、公開作業に影響することがあります。 早めに確認しておくことをおすすめします。

ドメインは、会社や団体のWeb上の住所にあたる重要な資産です。 リニューアル後も同じドメインを使う場合は、ドメインの契約状況や更新期限、管理権限を確認しておきましょう。 ドメインの期限切れは、ホームページやメールが使えなくなる原因になるため注意が必要です。

サーバーについては、現在の環境が新しいホームページに適しているかを制作会社に確認してもらう必要があります。 古いPHPやCMSを使っている場合、セキュリティや動作環境の面で見直しが必要になることがあります。 また、表示速度や容量、バックアップ機能、SSL対応、メール機能なども確認対象になります。

RFPには、「現在のサーバーを使い続けたい」「必要であればサーバー移転も検討したい」「サーバーやドメインの管理も相談したい」など、希望を書いておくとよいでしょう。 制作会社は、その情報をもとに、現実的な公開方法や保守体制を提案できます。

12-2. メールアドレスの利用状況

ホームページのリニューアルやサーバー移転で注意したいのが、メールアドレスへの影響です。 会社や団体で独自ドメインのメールアドレスを使っている場合、サーバーやDNSの変更によって、メール送受信に影響が出る可能性があります。

たとえば、ホームページとメールを同じレンタルサーバーで運用している場合、新しいサーバーへ移転するときにメール設定も移行する必要があるかもしれません。 一方で、Google WorkspaceやMicrosoft 365など、外部のメールサービスを使っている場合は、DNS設定を正しく引き継ぐことが重要になります。

RFPには、メールについて次のような情報を書いておくとよいでしょう。

  • 独自ドメインのメールアドレスを使っているか
  • 利用しているメールアドレスの数
  • メールを管理しているサービス
  • Google WorkspaceやMicrosoft 365を利用しているか
  • メールの設定変更を避けたいか
  • サーバー移転時にメール移行も必要か
  • フォーム送信先として使うメールアドレス
  • 自動返信メールの送信元アドレス

メールは業務への影響が大きいため、ホームページ公開作業の中でも特に慎重に扱う必要があります。 「ホームページだけを新しくするつもりだったのに、メールが受信できなくなった」という事態は避けなければなりません。

また、お問い合わせフォームや採用応募フォームを設置する場合は、フォームから送られるメールが迷惑メール扱いにならないように設定する必要があります。 送信元メールアドレス、通知先メールアドレス、自動返信メール、SPFやDKIMなどのメール認証設定が関係することもあります。

山陰の中小企業では、メール設定を以前の制作会社やサーバー会社に任せたまま、現在の管理状況がわからなくなっていることもあります。 RFPを作るタイミングで、ドメイン、サーバー、メールの管理者や契約情報を確認しておくと、リニューアル時のトラブルを減らしやすくなります。

12-3. 公開後の更新・保守体制

ホームページは公開後の運用が重要です。 公開時点では整っていても、その後に情報が古くなったり、CMSやプログラムの更新が止まったりすると、信頼性や安全性が低下することがあります。

RFPには、公開後の更新や保守を誰が行うのかを記載しておきましょう。 自社で更新するのか、制作会社に依頼するのか、あるいは一部だけ自社で更新して、技術的な保守は制作会社に依頼するのかを整理します。

公開後の運用で検討したい項目には、次のようなものがあります。

  • お知らせやブログを誰が更新するか
  • 採用情報や実績紹介を誰が更新するか
  • CMSの操作説明やマニュアルが必要か
  • 軽微な文章修正や画像差し替えを誰が行うか
  • CMSやプラグインのアップデートを誰が行うか
  • 不具合発生時の連絡先をどうするか
  • 月額保守契約が必要か
  • アクセス解析や改善提案を希望するか

社内で更新する場合は、更新しやすいCMS設計が必要です。 管理画面が複雑すぎると、担当者が使いにくく、結局更新されないホームページになってしまいます。 逆に、すべてを制作会社に依頼する場合は、修正依頼の方法や対応費用、対応スピードを確認しておく必要があります。

また、更新担当者が異動・退職する可能性も考えておく必要があります。 特に学校、行政、団体、複数部署で運用するサイトでは、担当者が変わっても更新を続けられるように、マニュアルや運用ルールを用意しておくと安心です。

RFPには、「公開後も月1回程度の修正を依頼したい」「お知らせは自社で更新したい」「CMSの操作説明をしてほしい」「保守契約の内容も提案してほしい」など、運用に関する希望を書いておくとよいでしょう。

12-4. バックアップ・セキュリティ対応

ホームページを安全に運用するためには、バックアップとセキュリティ対応が欠かせません。 万が一、サーバートラブル、操作ミス、不正アクセス、CMSの不具合などが発生した場合でも、バックアップがあれば復旧しやすくなります。

RFPには、バックアップやセキュリティについて、制作会社にどのような対応を求めるのかを書いておきます。 特にCMSを使う場合は、定期的なアップデートや脆弱性対策が重要です。

確認したい項目には、次のようなものがあります。

  • サーバー側の自動バックアップがあるか
  • 制作会社側でバックアップを行うか
  • バックアップの頻度
  • 復旧作業の対応範囲
  • CMS本体のアップデート対応
  • プラグインやテーマのアップデート対応
  • 管理画面のログイン対策
  • 不正アクセス時の対応
  • SSL証明書の更新管理

バックアップは、単に保存していればよいというものではありません。 どの範囲をバックアップしているのか、どの時点まで戻せるのか、復旧作業は誰が行うのかを確認しておく必要があります。 データベースを使うCMSでは、ファイルだけでなくデータベースのバックアップも重要です。

セキュリティ面では、管理画面のID・パスワード管理、不要なアカウントの削除、権限設定、フォームのスパム対策、CMSの更新などが関係します。 WordPressなどのCMSを使う場合は、公開後に放置せず、継続的に保守することが大切です。

また、採用応募フォームや会員機能などで個人情報を扱う場合は、セキュリティ要件をより慎重に考える必要があります。 ファイル添付、応募情報の保存、管理画面での閲覧権限など、情報漏えいを防ぐための設計が必要です。

RFPには、「バックアップとCMSアップデートを保守契約に含めたい」「セキュリティ対応を重視したい」「不正アクセス時の対応も相談したい」など、保守運用に関する考え方を書いておくとよいでしょう。

12-5. 山陰の企業が地元制作会社に相談しやすい運用面

山陰の企業・団体がホームページ制作を依頼する場合、地元制作会社に相談しやすい運用面もあります。 ホームページ公開後には、ちょっとした修正、写真の差し替え、イベント情報の掲載、採用情報の更新、フォームの変更など、細かな相談が発生することがあります。

地元制作会社に依頼するメリットの一つは、地域事情や事業環境を理解したうえで相談しやすいことです。 たとえば、山陰エリアの採用事情、地域イベント、行政・学校・医療・福祉関連の情報発信、観光シーズン、地域名を含む検索対策など、地域に関わる相談がしやすくなります。

ただし、地元だから安心というだけで判断するのではなく、公開後の保守内容や対応範囲を具体的に確認することが大切です。 「何を月額保守に含むのか」「どこから追加費用になるのか」「修正依頼はどのように行うのか」「緊急時の対応はどうなるのか」を事前に確認しておきましょう。

RFPには、公開後の相談体制について次のような希望を書いておくとよいでしょう。

  • 公開後も継続的に相談したい
  • 月額保守の内容を提案してほしい
  • 軽微な修正への対応範囲を知りたい
  • アクセス解析をもとに改善提案を受けたい
  • 採用や集客の相談もしたい
  • 必要に応じて対面やオンラインで打ち合わせしたい
  • 更新担当者向けの説明をしてほしい

また、ホームページは会社の成長や事業の変化に合わせて見直していくものです。 新しいサービスを始める、採用を強化する、補助金を活用する、Web広告を始める、SNSと連携するなど、公開後に必要な対応は変わっていきます。 そのため、単に制作して終わりではなく、相談しながら改善できる体制を考えておくことが重要です。

山陰の企業・団体にとって、ホームページは地域内外に情報を届ける大切な基盤です。 サーバー、ドメイン、メール、保守、バックアップ、セキュリティ、更新体制をRFPに整理しておくことで、公開後も安心して運用しやすいホームページになります。

ヒニアラタ編集部 監修: 馬庭 吾以千

ヒニアラタ編集部では地方の中小企業様のWeb活用をお手伝いするため、私たちが持っている専門知識を「コラム」という形で分かりやすく公開しています。 私たち自身が地方の企業であるからこそ分かること、感じることがあると思っています。

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