AIO/LLMO対策講座⑤! AIが抜き出しやすい「短い答え」があるか? 〜AIに選ばれやすいWebサイトにするためのセルフチェックガイド〜
6. AIが抜き出しやすい「短い答え」があるか
AIO/LLMO対策では、ページ内に「短く、分かりやすく、抜き出しやすい答え」を用意しておくことが重要です。
AIは、ユーザーの質問に対して回答を作るとき、Web上の情報を要約したり、比較したり、候補として整理したりします。
そのとき、ページ内に質問への答えが明確に書かれていると、AIはその情報を使いやすくなります。
逆に、ページ全体を読まなければ何を言っているのか分からない文章や、抽象的なアピールばかりの文章は、AIにとってもユーザーにとっても使いにくい情報です。
たとえば、次のような文章だけでは、具体的な答えとして使いにくくなります。
「私たちは、お客様一人ひとりに寄り添い、最適なサービスを提供します。」
この文章は悪いものではありません。
しかし、AIがユーザーの質問に答えるための情報としては、やや抽象的です。
次のように書くと、使いやすい情報になります。
「当サービスは、初めて○○を利用する方に向けて、申込み前の相談から利用開始後のサポートまで対応しています。対応地域は○○市を中心に、近隣エリアにも対応しています。」
このように、対象者、内容、対応範囲、条件などが具体的に書かれていると、AIもユーザーも理解しやすくなります。
AIが抜き出しやすい答えとは、特別な文章ではありません。
ユーザーの質問に対して、短く、具体的に、誤解なく答えている文章です。
6-1. よくある質問に端的に答えているか
AIが扱いやすい情報を増やすうえで、FAQはとても有効です。
FAQとは、よくある質問と回答をまとめたものです。
ユーザーが知りたいことに対して、質問と答えの形で整理されているため、人にもAIにも理解しやすい形式です。
たとえば、次のような質問は多くの業種で使えます。
- 初めてでも利用できますか?
- 料金はいくらですか?
- 相談だけでも可能ですか?
- 対応地域はどこですか?
- 申し込みから利用開始までの流れを教えてください。
- キャンセルや変更はできますか?
- どのような人に向いていますか?
- 法人でも個人でも利用できますか?
- オンライン対応は可能ですか?
- 事前に準備するものはありますか?
FAQで大切なのは、質問に対して最初に短く答えることです。
たとえば、料金について聞かれているのに、前置きが長く続いて、最後まで読まないと答えが分からない文章は使いにくくなります。
悪い例:
料金については、お客様の状況やご希望の内容を丁寧に確認したうえで、最適な形をご提案しております。まずはお気軽にお問い合わせください。
この文章は丁寧ですが、料金の目安が分かりません。
改善例:
料金は内容によって異なりますが、目安は○○円〜○○円です。詳しい金額は、内容や条件を確認したうえで個別にお見積りします。
このように、最初に答えを書き、その後に補足説明を加えると分かりやすくなります。
FAQを書くときは、次の流れを意識しましょう。
- 最初の一文で結論を書く
- 次に条件や例外を書く
- 最後に詳しい相談や問い合わせへの導線を置く
たとえば、
Q. 初めてでも利用できますか?
A. はい、初めての方でも利用できます。初回は現在の状況やご希望を確認し、必要な手続きや利用の流れを分かりやすくご案内します。不安な点がある場合は、事前相談をご利用ください。
このように書くと、ユーザーもAIも内容を理解しやすくなります。
6-2. 商品・サービス・活動の特徴を短く説明できているか
商品・サービス・活動の特徴は、短く説明できるようにしておくことが大切です。
自社の商品やサービスについて詳しく説明するページは必要です。
しかし、AIが回答に使いやすいのは、特徴が簡潔に整理された文章です。
たとえば、次のような説明は抽象的です。
「私たちは高品質なサービスを通じて、お客様の課題解決を支援します。」
この文章だけでは、何をしているのか、誰に向けたものなのか、どのような特徴があるのかが分かりにくくなります。
次のように書くと、かなり分かりやすくなります。
「当サービスは、○○に困っている中小企業向けに、現状整理、改善提案、導入支援までを一括で行うサポートです。」
この文章には、次の情報が含まれています。
- 誰に向けたサービスか
- どんな課題に対応するか
- 何を提供するか
- どこまで支援するか
AIが情報を整理するときにも、こうした具体的な要素が役立ちます。
特徴を書くときは、次の問いに答えるようにするとよいでしょう。
- これは何か
- 誰のためのものか
- 何に役立つのか
- どのような場面で使うのか
- 他と比べて何が違うのか
- 利用すると何が分かる、変わる、楽になるのか
また、特徴は箇条書きで整理するのも有効です。
例:
当サービスの特徴
- 初めての方でも分かりやすい事前説明
- オンラインと対面の両方に対応
- 料金の目安を事前に提示
- 利用開始後のサポートにも対応
- 地域の事情に合わせた提案が可能
このように整理すると、ユーザーは短時間で内容を理解できます。
AIにとっても、特徴を抜き出しやすい構造になります。
6-3. 対象となるユーザーや利用シーンが明確か
AIが会社・店舗・サービスを紹介するときには、「誰に向いているか」が重要になります。
ユーザーはAIに対して、次のような質問をすることがあります。
- 初心者に向いているサービスは?
- 小規模事業者でも相談しやすい会社は?
- 子ども連れでも利用しやすい店舗は?
- 高齢者にも分かりやすく説明してくれる専門家は?
- 短期間で導入できるサービスは?
- 地域事情に詳しい相談先は?
このような質問に答えてもらうには、自社サイト上に「対象となるユーザー」や「利用シーン」を明確に書いておく必要があります。
たとえば、単に、
「幅広いお客様に対応しています。」
と書くだけでは、具体的な対象者が分かりにくくなります。
次のように書くと、AIもユーザーも理解しやすくなります。
「当サービスは、はじめて○○を利用する個人のお客様や、社内に専門担当者がいない中小企業からの相談が多いサービスです。」
「当店は、小さなお子さま連れのご家族でも利用しやすいよう、個室席とベビーチェアを用意しています。」
「当施設は、平日に来所しにくい方のために、土曜日の相談枠も設けています。」
このように、対象者や利用シーンを具体的に書くことで、AIはユーザーの条件に合う候補として紹介しやすくなります。
対象者を整理するときは、次の観点で考えてみましょう。
- 個人向けか法人向けか
- 初心者向けか経験者向けか
- 地域の利用者向けか全国対応か
- 小規模向けか大規模向けか
- 短期利用向けか長期利用向けか
- 対面向けかオンライン向けか
- 特定の年齢層や生活シーンに向いているか
- 特定の業種や課題に向いているか
また、「向いている人」だけでなく、「向いていないケース」も書けると、信頼性が高まります。
たとえば、
「短期間で最低限の機能だけを使いたい方には向いていますが、独自仕様を多く含む大規模な運用には個別相談が必要です。」
「当店は落ち着いた空間を重視しているため、大人数での宴会利用には向いていません。」
このように書くことで、ユーザーは自分に合っているか判断しやすくなります。
AIも、条件に合う候補として整理しやすくなります。
6-4. 比較検討中の人が知りたい情報を先回りしているか
ユーザーがAIに質問するとき、多くの場合、すでに比較検討の段階に入っています。
たとえば、次のような質問です。
- どれを選べばいいですか?
- おすすめはどこですか?
- 費用はどのくらいですか?
- 初心者に向いているのはどれですか?
- 失敗しない選び方を教えてください。
- AとBの違いは何ですか?
- 相談前に確認すべきことは何ですか?
このような質問に対してAIが答えるには、Webサイト側に比較検討に必要な情報があることが重要です。
比較検討中のユーザーが知りたい情報には、次のようなものがあります。
- 料金
- 対応範囲
- 対象者
- 利用条件
- 対応地域
- 納期や期間
- サポート内容
- 実績
- 口コミ
- メリット
- デメリット
- 他の選択肢との違い
- 申し込み前の注意点
- 利用の流れ
これらの情報が不足していると、AIはその会社やサービスを具体的に紹介しにくくなります。
たとえば、「料金はお問い合わせください」とだけ書かれている場合、AIは費用感を説明できません。
「豊富な実績があります」とだけ書かれている場合、どの分野に強いのか分かりません。
「サポートします」とだけ書かれている場合、どこまで対応するのか分かりません。
AIO/LLMO対策では、ユーザーが問い合わせる前に知りたい情報を、できるだけページ上に用意しておくことが大切です。
もちろん、すべてを細かく公開できない場合もあります。
その場合でも、次のように目安や条件を示すことはできます。
- 料金は内容によって異なりますが、一般的には○○円〜○○円です。
- 対応期間は、内容により○日〜○か月程度が目安です。
- 小規模な相談はオンラインで対応できます。
- 個別の条件がある場合は、事前確認のうえでご案内します。
- 詳しい金額は、内容を確認したうえでお見積りします。
このように、完全な答えでなくても、判断材料を出すことが重要です。
AIに選ばれやすいサイトは、ユーザーの疑問に先回りして答えているサイトです。
6-5. 1ページ1テーマで情報が整理されているか
AIが情報を理解しやすいサイトにするには、1ページ1テーマを意識することも大切です。
1つのページに多くの情報を詰め込みすぎると、ページの主題が分かりにくくなります。
たとえば、1ページの中に次のような情報がすべて混在していると、ユーザーもAIも目的の情報を探しにくくなります。
- 会社紹介
- 商品紹介
- 料金
- 採用情報
- 代表メッセージ
- イベント情報
- FAQ
- ブログ記事
- 問い合わせフォーム
もちろん、トップページでは複数の情報を紹介することがあります。
しかし、詳細な情報はテーマごとにページを分けたほうが分かりやすくなります。
たとえば、次のように整理します。
- 会社概要ページ
- 商品・サービスページ
- 料金ページ
- 事例・導入例ページ
- FAQページ
- 利用の流れページ
- お客様の声ページ
- コラムページ
- お問い合わせページ
このようにページを分けると、ユーザーは必要な情報を見つけやすくなります。
AIにとっても、ページごとの役割が明確になり、情報を整理しやすくなります。
また、1ページの中でも、見出しごとにテーマを分けることが重要です。
たとえば、料金ページであれば、次のような構成にします。
- 料金の目安
- プランごとの違い
- 追加費用が発生するケース
- 無料で対応できる範囲
- 見積り前に確認すること
- よくある質問
このように整理すると、ユーザーが知りたい情報にたどり着きやすくなります。
AIも、質問に応じて該当する部分を理解しやすくなります。
1ページ1テーマを意識するときは、次の点を確認しましょう。
- ページの目的が明確か
- ページタイトルと本文内容が一致しているか
- 1つのページに複数の目的を詰め込みすぎていないか
- 関連する詳細ページへのリンクがあるか
- 見出しごとに内容が整理されているか
- ユーザーの質問に答える構成になっているか
AIO/LLMO対策では、ページ数をやみくもに増やす必要はありません。
大切なのは、ユーザーの疑問に対して、分かりやすく答えられる情報構造にすることです。
AIが抜き出しやすい短い答えを用意し、テーマごとに情報を整理する。
それが、AIに理解されやすいWebサイトづくりの基本です。
ヒニアラタ編集部 監修: 馬庭 吾以千
ヒニアラタ編集部では地方の中小企業様のWeb活用をお手伝いするため、私たちが持っている専門知識を「コラム」という形で分かりやすく公開しています。 私たち自身が地方の企業であるからこそ分かること、感じることがあると思っています。