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baserCMS5をMacのMAMP環境にインストール・構築する方法

2024/03/15

baserCMSのバージョン5をMacのMAMP環境に構築する方法をメモします。

(※ ただし、特に理由がなければDockerを使って環境構築した方がすんなりいきます・・・。 またこの記事ではPHPでデバッグする際に利用するXdebugを無視してインストールしています。ご注意ください。)

MAMPでbaserCMS5を動かしたい

baserCMSはWordPressと比較されることもありますが、CakePHPフレームワークの上にできているため「日本人向けの管理画面がついたフレームワーク(CakePHP)」として利用されることも多いと思います。

バージョンが5になってREST API対応したことで、baserCMS5で構築されたサイトのデータを他のアプリやサービスから参照することができるようになりました。 また、カスタムコンテンツの機能によって、サードパーティ製のカスタムフィールドプラグインを使わなくても、必要な情報を入力・表示・検索できるようになりました。(参考:ヘッドレス化したbaserCMS5とその機能 2024-03-02 B-4

WordPressとは利用用途の違うCMSとしても期待できそうですが、前バージョンと比べてローカル環境へのインストールで少し躓くことがありそうです。 エンジニア職でない方が、テーマ作成などでMAMP環境を使いたいという需要がありそうですので(バージョンがあがれば解消されるかも知れませんが)、一旦、現段階(v.5.0.10 の段階)でのインストール方法を下記にまとめます。

この記事の環境

  • MAMP Version 6.9
  • PHP 8.1.13
  • SQLite
  • M1 Mac(MacOS 12)

インストールを進める前に

まずbaserCMS5を公式サイトからダウンロードしてきます。

ダウンロードできたZipファイルを解答し、MAMPのhtdocs配下に設置してください。この作業はbaserCMS4やWordPressと変わりません。

baserCMS5ではPHPのパッケージ管理システムであるComposerを利用するようになりました。 そのためbaserCMS5を設置したローカル環境のURLを開くと、最初に上のような画面が表示されます。

MAMPは利用するPHPのバージョンを選択できる機能をもったアプリケーションですので、自分が使いたいバージョンのPHPのパス( /Applications/MAMP/bin/php/php8.x.xx/bin/php など)を入れて進めると、画面上はインストールが進行しているようなロード中の表示に切り替わりますが、いつまで経っても終わらず、その画面から切り替わることはありません。

そこで、ターミナルを利用して幾つかのコマンドを打っていきます。

なお、ここからの作業については、下記を参考にさせていただきました。baserCMS5の開発者の一人としても知られる方の記事ですね、感謝。

Composerをダウンロードする

baserCMS5で利用するComposerをダウンロードしてきます。レンタルサーバーなどにインストールする場合は、このような手間はなく、自動でインストールできると思いますが、MAMP環境にbaserCMS5をインストールする場合には、鬼門の一つになります。

Composerの公式サイトにあるダウンロードのページにアクセスし、ページ中ほどにある「Manual Download」というところから、画像赤枠部分をクリックしてください。composer.phar がダウンロードされます。

ダウンロードされた composer.phar を、MAMPに設置したbaserCMS5のcomposerフォルダに入れ、下記のようになるようにします。

/Application/MAMP/htdocs/xxxxxxx/composer/composer.pha

Composerをインストールする

続いて、baserCMS5のフォルダをターミナルで開きます。VSCodeなどを使っている方は、baserCMS5のフォルダで「ターミナル>新しいターミナル」を選択すれば大丈夫です(下図参照)。そうでない方は、cdコマンド(ディレクトリを移動する時に使うコマンド)で

cd  /Application/MAMP/htdocs/xxxxxxx

としてください。

次に下記のコマンドでComposerをインストールしてください。赤字の部分はお使いのMAMP環境に合わせて変更してください。

/Applications/MAMP/bin/php/php8.x.xx/bin/php ./composer/composer.phar update

(下図はPHP8.1.13のとき)

次に書きのコマンドを実行します。例によって赤字の部分は環境に合わせて読み替えてください。

curl -sS https://getcomposer.org/installer | /Applications/MAMP/bin/php/php8.x.xx/bin/php
./composer.phar self-update
./composer.phar install --ignore-platform-req=ext-xdebug
cp config/.env.example config/.env

(冒頭にも記載しましたが、ここではPHPでデバッグをするためのXdebugを無視してインストールしています(XdebugをMAMPで有効にしてもエラーがでるためです)。利用環境にMAMPのPHPパスを通せばいけるのかも知れないのですが、MAMPを利用して作業するのは、DockerがインストールされていないMacでお仕事をしているデザイナーさんやHTMLコーダーさんが、baserCMSにデザインをあてる(HTMLをテーマ化する)ような用途だと思いますので、ここでは一旦インストール優先して先に進みます。)

環境ファイル .env を書き換える

上述の通りインストールを進めると、下記の場所に環境ファイル「.env」ができあがっていると思います。

/Application/MAMP/htdocs/xxxxxxx/config/.env

このファイルは本来自動で生成されるものですが、この記事ではここまで見てきたとおり、手動でインストールを進めていますので下図の赤枠部分( SITE_URLと SSL_URL)を書き換える必要があります。今回は、http://localhost:8147 というURLでローカル環境を用意しましたので、そのように入力しました。皆さんの環境に応じて読み替えてください。

ブラウザでサイトにアクセスする

ここまで全て終わったら、ブラウザでローカル環境のbaserCMS5にアクセスしてみてください。必要なComposerの設定がおわって、インストール画面が表示されているはずです(下図:最初はPHPのパスを入力するように求められていましたが、今はそれがなくインストール画面が表示されています)。

おわりに

いかがでしたでしょうか? baserCMS5は「WordPressは用途が違う」「フレームワークだと環境画面を作るの面倒」のような時に役に立ちます。また、ユーザーフォーラムも存在していますので、困ったときは質問してみると良さそうです。

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