WEBマーケティングって何?|島根で取り組むWEBマーケティング(1)
よく聞く言葉だけれど実際にはよく分からない・・・。島根県内のお客様とお話していて「WEBマーケティング」の話題になるときに、そのような声を聞くことがあります。今回はそんな謎に満ちたWEBマーケティングについて、触れていきたいと思います。
難しく考えると分からなくなる
「“WEBマーケティング”なんだから、“WEBを使った” “マーケティング”に決まっているじゃないか」とお考えの方、まさにその通り、正解です。ですが、いざその内容を説明しようとすると、少し困ってしまいませんか?
そうなんです。“WEBを使った” “マーケティング”なのは間違いないのですが、「WEBをどのように使うか」や「どのようなマーケティング施策を行うか」は、個別具体的な案件ごとに異なるため、このWEBマーケティングという言葉は、一言で説明がしにくいのです。
一旦、「マーケティング」を定義する
「マーケティング」という言葉は、検索すれば沢山の説明がでてきます。しかしここで必要なのは、経営学の細やかな解説ではありません。ざっくりと掴んでしまいましょう。例えば以下のようなものはいかがでしょうか。
「あなやの商品やサービスが売れるような“仕組みづくり”」
私たちはお客様にマーケティングについて聞かれたとき、まずは上のようにお答えしています。そして、それをWEBを使って行うのが「WEBマーケティング」だとお伝えします。
仕組みを作るための3ステップ
マーケティングのことを“仕組みづくり”と大雑把に掴めたところで、実際に仕組みを作っていくためのステップをご紹介します。
と、その前に。「仕組みづくり」とは言いますが、どんな仕組みを作ればよいのでしょうか。一般的には「一生懸命に売り込まなくても、自然と商品が売れるような仕組み」が理想なのではないかと思っています。
「自然と商品が売れる」状態とは、つまり「欲しいと思っている人に商品の情報が届く(もしくは欲しいと思っている人が情報を取りにきてくれる)ので、そのまま自然と売れる」ということです。逆に「一生懸命に売り込む」状態とは、「欲しいと思っていない人を振り向かせようとしている」状態です。
最初からその商品が欲しい人に売り込むことができれば、営業コストは大幅にカットでき無駄がなくなりますし、押し売りのようなことをして会社の評判を落とすこともありません。
つまりWEBマーケティングとは「WEBを使って商品が自然と売れていく仕組みを作ること」なのです。そしてその実現は、概ね3つのステップで行われます。
1.調べて仮説を立てる
さて、商品を自然と買ってくれる人(その商品を欲しい人)はどこにいるのでしょうか? WEBマーケティングでは、まずそれを調べることから始まります。
もちろん「どこにいるのか?」といっても、地理的な話ばかりではありません。その商品を買ってくれる年齢層、性別、趣味嗜好なども含まれます。もしも、リアルな店舗で販売実績がある商品であれば、これまでの顧客層からおおよその目星をつけることができるでしょう。
例えば松江市のお花屋さんの例で考えてみましょう。(もちろんフィクションです)
結婚式場や葬儀会館など、まとめて発注してくれる大口の顧客がいますが、時代の流れで結婚式や葬式にそれほどお金をかけなくなってきました。そこで店頭で購入してくれる個人顧客を増やしていきたいとします。
これまでの販売データを見てみると、店頭で買った顧客はプレゼント目的で購入している事がわかりました。誕生日、送迎会、結婚記念日などが主なシチュエーションのようです。
すると「花を買う人はどこにいるのか?」という疑問に対して仮説を立てることが出来ると思います。例えば「誕生日のプレゼントを探している人の中にいる」という具合です。
そこで、今回はWEBマーケティングですから、インターネット上で「誕生日のプレゼントを探している人」について考えていきます。
検索エンジンの検索窓に「誕生日」と打ってみてください。下図のように誕生日に関連するキーワードのサジェスト(予測提案)が出てくると思います。これは世の中の人が、「誕生日」と合わせて入力したキーワードの中から、比較的検索回数の多いものを表示してくれるもので、検索されやすい用語の参考にもなります。
よく見ると、この中に「誕生日プレゼント」というキーワードが入っています。つまり、確かに誕生日のプレゼントをインターネットで探す人が存在しているのです。
2.実際に情報発信してみる
次は仮説を検証する段階です。
ここまでのところで「誕生日のプレゼント用に花を買う人がいる」という店頭での販売データがある事と、インターネットで「誕生日プレゼント」を検索しているユーザーが存在している事が分かりました。
そこで今回は「インターネットで“誕生日プレゼント”と検索している人に、花に関する広告を出せば売れる」という仮説を立てたとしましょう。
インターネットで検索をしている人に出す広告ですので、リスティング広告が仮説検証としては相応しいようです。また、商品が生きた花ですので、遠方から取りに来たり、こちらから送ったりすると大変そうです。そこで広告のエリア設定で、花屋のある松江市内だけに広告配信を絞ります。
次に広告文章を考えてみます。プレゼントを探している人は、花以外も候補に挙がっていると思いますので、そのあたりを考慮した文章にしてみます。
「誕生日プレゼントはお花で決まり」「誰もが嬉しいお花のプレゼント」、他にも「プロが厳選、誕生日のお花選び」「大切なお花選びをプロがサポート」などが考えられそうです。
通常、1つではなく幾つかの広告文(タイトルと文章)を用意し、効果測定をしながら運用していくことになります。本番ではもっと多くの数を試すことが多いはずですが、今回は上の4つということにしました。
3.効果検証
インターネットの広告は、クリックの数や表示回数などを確認することができるのが大きな特徴です。先ほど作った4つの広告文の情報も随時更新されていきます。この情報を確認して効果検証を行っていきます。
実際にはコンバージョン数(目標達成数)の高い広告が「良い広告」になりますが、広告の目的によっては測ることができないため、広告ごとのクリック率など確認しながら費用対効果の良さそうなものを残していくと良いでしょう。
(具体的な検証の方法などは別の機会にまとめてみたいと思います。)
例えば、今回の例で「誰もが嬉しいお花のプレゼント」が一番効果があった場合、この広告を残しつつ、効果の薄かった広告を別の広告に差し替えてしまいます。そして再び効果測定をして、また効果の薄いものを差し替えていきます。
こうして、より高いパフォーマンスを発揮できる広告を絞っていくのです。
次第に「仕組み」になっていく
こうして、調査(仮説)・実施・検証というステップを繰り返していくと、段々と精度の高い情報発信となり、安定した広告効果が出てきます(もちろん、そこに至るまでには数多くの失敗も生まれますが・・・)。
今回はリスティング広告を例にしていますが、他にもブログの運用やSNSでの発信など、手法は色々と存在します。しかしながら、方法が異なるだけで精度を高めていくためのステップ(考え方)は同じです。
施策が成功して効果が安定してくると、それは次第に「仕組み」と呼べる段階になってきます。例えば今回の例だと「誕生日のプレゼントを探す人が当店の花を買ってくれる仕組み」ということになると思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。次回はネット広告以外の話題に触れながら、さらにWEBマーケティングについてご紹介していきたいと思います。